2005年12月05日

環境型プレジャーボートエンジン 転換繰り延べ、琵琶湖適正審最終答申案

 琵琶湖で使用されるプレジャーボートに環境対策型のエンジン搭載を義務付ける時期を、条例で定めた2008年4月から繰り延べする案を滋賀県が示したことに対し、2日開かれた琵琶湖レジャー利用適正化審議会で委員の異論が相次ぎ、最終答申案では繰り延べに対する賛否両論を併記した。

 県は旧型エンジンの排出ガスによる水質汚染を防ぐため、琵琶湖レジャー利用適正化条例で環境対策型エンジンへの転換期限を定めたが、転換は進んでいない。このため県は10月に示した案に、プレジャーボートを管理するマリーナが転換促進計画を策定することなどを条件に、期限を延長する特例を盛り込んだ。
 これに対し、市民団体「びわ湖自然環境ネットワーク」代表の寺川庄蔵委員は「悪質な利用者を規制できていない現状で特例を認めると、転換しなくていいという意識が広がりザル法になる」、近畿大教授の細谷和海委員も「答申では琵琶湖への負荷を減らすという条例の理念を再確認するべきで、細かい施策を盛り込む必要はない」として、この部分の削除を求めた。
 一方、県小型船協会副会長の林良訓委員は「特例がなければマリーナが保管している旧型エンジンのプレジャーボートは条例違反となり、放り出さざるを得ない。経営が成り立たなくなる」と反対した。県自然環境保全課の角倉一郎課長も「(特例を含め)審議会での議論が見える形で答申をまとめたい」と削除に難色を示した。結局、最終答申案には特例を認める意見と、認めれば琵琶湖の自然環境への負荷を減らせないとする反対意見を併記することで決着した。
 同審議会は年内に国松善次知事に答申し、県は2月定例県議会に条例案を提出する予定。県琵琶湖環境部の伊藤潔部長は「実現性や実効性の観点からどんな施策が可能かを検討し、条例案を作成したい」と話した。(京都新聞)

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Posted by jun at 2005年12月05日 17:18 in 内水面行政関連

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