2005年12月01日

国松知事、洗堰の全閉操作解消求める 国交省 社会資本整備審小委

 淀川水系の河川整備基本方針を検討する社会資本整備審議会小委員会が30日、国土交通省で開かれ、明治時代以来、洪水時の下流域の安全確保のために続いている瀬田川洗堰(あらいぜき)(大津市)の全閉操作解消を、滋賀県の国松善次知事が求めた。

 国松知事は洗堰の全閉操作について「洪水時に堰を閉め切ると琵琶湖の浸水被害が増大し、上下流の対立を激化させる」と指摘。1992年に国が全閉操作を規則化した際、その前提とした宇治川改修は未完成で「十分な疎通能力がなく、前提が空手形に終わっている」と批判した。
 そのうえで「特に琵琶湖の治水安全度を左右する宇治川整備を進め、計画対象洪水に対しては洗堰による洪水調整を廃止すべきだ。超過洪水時は特別措置も検討する。危機の時こそ上下流が助け合える治水計画を実現すべきだ」と強調した。
 これに対し、水資源協会理事長の近藤徹委員長は「流域が治水運命共同体として取り組まないと一歩も進まない」と、次回の小委員会で流域自治体にコメントを求める意向を示した。
 洗堰の全閉操作は洪水時に大阪など下流域を水害から守るため始まった。滋賀県は堰を閉め切ると琵琶湖周辺の浸水被害が増大するとし、河川整備基本方針の検討に合わせて全閉操作の解消を求めているが、この日、国交省は「宇治川の流下能力に限度があり、全閉操作の解消は困難だ」などとする資料を提出した。(京都新聞)

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Posted by jun at 2005年12月01日 17:53 in 内水面行政関連

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