2005年12月02日

琵琶湖、マイナス73センチ… 来春の魚類産卵期、回復に危ぐも

 雨不足などによる琵琶湖の水位低下に伴い、滋賀県内では、漁師たちが操業できなくなったり、船舶の航行が困難になるなどの影響がじわじわと出始めている。水位は1日午後5時現在でマイナス73センチ(昨年同日はマイナス15センチ)に達しており、関係者はさらなる水位低下に気をもんでいる。

 ■漁船のスクリューに絡む水草\n 草津市の志那漁協は、浅瀬になった湖岸部で水草が漁船のスクリューに絡まる航行障害が続発し、11月初旬、例年より半月早くえり漁を打ち切った。奥村清澄事務局長(71)は「とにかく船が動かない。漁場に行っても網が水草の上に乗って湖底に下りず、どうにもならなかった」と話す。
 彦根市磯田漁協でも、11月末で終了した種苗用のアユ漁で、えり網が湖底でたるんでしまい、網に入ったアユを圧迫したり、体の表面を傷つける被害が相次いだ。疋田志寿春組合長(69)は「1日の漁獲量の半分近くが死んだ時もあった」と振り返る。
 ■消火用水もくみ上げられず
 影響は漁業だけではない。大津市消防局は、琵琶湖や河川から取水する場所のうち7カ所で、湖岸からの直接取水ができなくなったため、沖合の消防艇が中継送水して消火活動に当たる方針だ。また、県教委の学習船「うみのこ」を運営する県立びわ湖フローティングスクールは、近江八幡市の長命寺港が運行規定の限界水位のマイナス65センチを大幅に下回ったことから、2日の出港予定地を同港から大津市の琵琶湖大橋港に変更した。
 県は、マイナス75センチを超えた時点で渇水対策本部を設置する。県水政課は「夏場の渇水に比べれば、影響は少ないが、魚類が産卵期を迎える来年の春までに水位が戻るか心配」としている。(京都新聞)

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Posted by jun at 2005年12月02日 16:00 in 自然環境関連

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