2005年11月29日

ウシモツゴの池、よみがえれ 絶滅危惧種の淡水魚

 【岐阜県】絶滅が心配される日本固有の淡水魚「ウシモツゴ」が昔のように池で泳ぐ自然を取り戻したいと、関市黒屋のため池に27日、県や市民グループが育てた1200匹のウシモツゴが放流された。(田中 一正)

 ウシモツゴは体長約7センチのコイ科の魚で、濃尾平野のため池や用水路などにすむ。かつては各地でみられたが、ブラックバスなどの外来魚に食べられたり、水路が改修されたりして激減。今では環境省レッドデータブックの絶滅危惧(きぐ)IAA類に指定されている。県内では、数カ所の池でしか生息が確認されていない。

 県河川環境研究所、県世界淡水魚園水族館(アクア・トトぎふ)、関市、市民グループ「岐阜・美濃生態系研究会」が7月に「ウシモツゴを守る会」を設立。研究会が捕獲禁止になる前から育てていたウシモツゴを、野生に戻すことを目的に繁殖させてきた。

 今回放流されたため池でも、外来魚が増えてウシモツゴは絶滅した。守る会では、池の水を事前に抜いて大量の外来魚を駆除。バス釣りなどができないよう、池の周りにロープや針金を巡らせた。

 この日は、地元の子どもたちがバケツに入れたウシモツゴを放流。池に入った銀色の小魚たちは、群れをなして元気よく泳いでいた。守る会は今後、ため池での追跡調査をするとともに、他の池での放流も考えている。
(中日新聞)

+Yahoo!ニュース-岐阜-中日新聞

Posted by DODGE at 2005年11月29日 10:05 in ブラックバス問題, 魚&水棲生物, 自然環境関連

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