2005年10月30日

風力発電は自然破壊?自然保護団体の反対で中止に

 御嶽山のふもとで民間企業が計画している風力発電事業が、地元自治体などの反対で事実上、中止に追い込まれたことが、29日わかった。

 野鳥への悪影響などが懸念されたためで、「環境にやさしい」として各地で計画が進む風力発電の難しさが浮き彫りになった。
 この事業は、岐阜県高山、下呂両市にまたがる御嶽山県立自然公園内の国有林(約6ヘクタール)での「濁河(にごりご)風力発電」。斐太工務店(本社・名古屋市)が56億円をかけ、高さ約120メートルの風車10基(計2万キロ・ワット)と送電線、管理用道路などを、来年6月から建設する計画だった。
 用地は水源かん養保安林と保健保安林に指定されているため、同工務店は両市に対し、指定解除の特区申請を林野庁に提出するよう要請した。
 しかし、日本野鳥の会や日本自然保護協会などの自然保護団体が「計画地がタカ類などの渡りのルートにあり、野鳥を巻き込む事故の恐れが大きい」「景観を損なう」などと懸念を表明。専門家からは、動植物の生態系に悪影響を与えるとも指摘された。
 このため、両市は、「開発による自然改変の不安が解消されない」などとして、特区申請の見送りを決定、同工務店に通知した。
 斐太工務店の話「現在の位置では事業をするのは難しいことはわかったが、詳細を知るため高山、下呂市と話し合いを持ちたい。事業は様子を見ながら(今後の対応を)決めたい」(読売新聞)

+Yahoo!ニュース-社会-読売新聞

Posted by jun at 2005年10月30日 16:46 in 自然環境関連

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