2005年10月27日

琵琶湖に下水流出 大津の8カ所から 大雨時、処理できず

 大津市内の約4000世帯から出る下水の一部が、未処理のまま、大津港から近江大橋にかけての琵琶湖岸8カ所に敷設されている排水溝から湖に流出していることが24日、分かった。排水溝の上流に、雨水と下水を一緒に流す「合流式」の下水道があり、強い雨が降ると、処理能力を超えた分の汚水を直接、排水溝に流している。市によると、BOD(生物化学的酸素要求量)などの水質基準を3倍以上超えることもあるといい、「近畿の水源のイメージダウンになる」として、汚水の流出を止める貯留管の新設を計画している。

 合流式の下水処理地域は、大津市中央3丁目や京町4丁目など市中心部の「大津処理分区」と、膳所1丁目や西の庄などの「膳所処理分区」の計約150ヘクタール。両分区の約4000世帯から出る下水は湖岸沿いの市水再生センター(由美浜)で処理されるが、降雨で排水管の水量が増えると、処理しきれない分の汚水を直接排水溝に流す仕組みになっている。
 市は40年前に下水道整備を始め、初期はコストがかからない「合流式」を整備した。その後、雨水と下水を別の排水管で流す「分流式」に切り替えたが、滋賀県内で、両分区だけ合流式が残っている。
 市下水道整備課によると「降雨時の3回に2回は未処理の汚水が流出している」といい、排水溝付近のBODやCOD(化学的酸素要求量)などの値が、水質汚濁防止法などで定める水質基準の2−3倍に達することもある。今のところ、環境に大きな影響はなく、苦情もないが、近畿1300万人の水源としてのイメージを損ねる上、下水道法の改正で排水溝の水質基準が新設されたことから対策を急いでいる。
 計画では、排水溝への流出を止めるために、県道(湖岸道路)の地下に直径2・2−2・8メートルの貯留管(全長4・2キロ)を敷設し、汚水をすべて水再生センターに流す。2007年度に着工の方針で、事業費は100億円以上とみられる。(京都新聞)

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Posted by jun at 2005年10月27日 17:41 in 内水面行政関連

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