2005年09月23日

他地域と異なる固有の遺伝子 琵琶湖とその周辺のイワナを解析

 琵琶湖とその周辺にすむ淡水魚のイワナは他地域のイワナとは異なる固有の遺伝子をもち、同じ先祖から分化して河川ごとに独自の発達をとげたことが分かり、滋賀県水産試験場醒井養鱒場(米原市上丹生)、県立琵琶湖博物館(草津市)、京都大(京都市)の合同研究グループが21日、発表した。25日に仙台市の東北大で開かれる日本魚類学会で報告する。

 グループは2001年から調査を始め、琵琶湖とその周辺の17河川にすむイワナ約200匹から、背びれの一部を切り取り遺伝子を解析した。その結果、他地域のイワナと異なる固有の遺伝子をもつことを突き止めた。また、同一の先祖から分化したとみられる遺伝子配列を持ちつつ、現在では河川ごとに個体群が独自の遺伝子を持っていることがわかった。
 琵琶湖水系のイワナは、約10万年前の氷河期から琵琶湖に生息していたとされ、氷河期後に湖の水温が上がっために、水温の低い川の上流に移ったと考えられている。同グループは、今回の遺伝子解析でそれが裏付けられたとしている。
 現在、県内の大半の漁協が、醒井養鱒場で養殖した琵琶湖水系産の卵や稚魚を放流している。研究メンバーの1人、醒井養鱒場の亀甲武志主任技師は「遺伝子が違う以上、今後は河川に応じて、それぞれ特有の遺伝子をもつ稚魚を養殖する必要がある」と話している。
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by DODGE at 2005年09月23日 11:12 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

mark-aa.jpg