2005年09月21日

小型魚にも電波発信器装着が可能に 中電が解析技術確立

 【愛知県】中部電力は、河川や湖に生息する魚に小型電波発信器を取り付け、行動を解析する技術(バイオテレメトリー)を確立したと発表した。体重40グラム程度の小型魚にも適用できる。魚の生態調査や、ダムや水力発電所の建設に伴う環境影響調査に活用する。これまでの技術では、利用が大きな魚やウミガメなどに限られていた。

 電池を内蔵した小型電波発信器(本体長さ18.4ミリ、幅6.3ミリ、厚さ3.8ミリ、重さ0.85グラム)を魚の腹部に埋め込み、アンテナ線だけを出して放流。発信された電波を、複数のアンテナや受信機でキャッチする。

 受信時刻や電波の強さを解析することで、魚の動きや位置を把握できる。識別番号を発信するため、同時に100匹以上の追跡が可能。誤差は数メートルから10メートル程度という。電池の寿命は約36時間で、昼夜を通じて魚の行動を把握できる。

 中電は、水力発電用ダムなどが自然環境に与える影響を調べるため、2001年に技術開発に着手。アマゴ、イワナといった渓流魚で試験を続けてきた。

 今年6月には、農業工学研究所(茨城県つくば市)の依頼で、子会社で環境測定を手がけるテクノ中部(名古屋市)が、「ふなずし」に使われる琵琶湖固有種のニゴロブナの産卵行動を追跡調査。農業排水路に設けた人工魚道における遡上(そじょう)状況を調べた。

 今後も、テクノ中部が数十万−100万円程度で調査を請け負う。中電は「国や地方自治体などに利用してもらいたい」と話している。
(中日新聞)

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Posted by DODGE at 2005年09月21日 12:07 in 魚&水棲生物

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