2005年08月29日

大型ビワマスの養殖に初成功 県水産試験場、滋賀の特産品に

 滋賀県水産試験場(彦根市八坂町)は26日、体重1キロ以上の大型ビワマスの養殖に初めて成功した、と発表した。ビワマスは琵琶湖の固有種で美味だが、年間の漁獲量が安定せず、県内での流通にとどまっている。大型のビワマスの安定供給が可能となることで、同試験場は「滋賀の新たな特産品として、他府県への出荷も期待できる」としている。

 同試験場は、ビワマスの市場拡大を目指して、1990年から大型ビワマスの養殖に取り組んできた。醒井養鱒場(米原市)の水温12度の池で、ニジマスと同じ方法で飼育してきた。
 ビワマスの養殖自体はこれまでも可能だったが、人が池に近づくだけで暴れ出すほど警戒心が強く、餌をやるのも難しいため、市場に供給できる大きさに育てるのに課題があった。
 ビワマスは通常、生後3年で体重800グラムほどに育つ。同試験場は、池で生まれ育った警戒心の薄いビワマスの雌、雄から、それぞれ大きな個体を選んで交配。6世代にわたって交配させた結果、生後2年で体重1キロを超える遺伝的形質を持った大型のビワマス130匹の生産にこぎつけた。
 同試験場の田中秀具主任主査は「市場に出せる大型ビワマスが養殖できたことで、端境期の出荷も可能になる。ビワマスの名を全国に広めたい」と話している。同試験場は、来年夏までに800匹以上の生産を目指し、米原市内の料理店や民宿に試験出荷したい、としている。
 ビワマス=琵琶湖に生息する唯一のサケ科の魚。主に水深40メートル以上の深場に生息。成魚は体長40-50センチで赤身。体全体が白っぽく背部に朱点が散在し、ヤマメ、アマゴと区別できる。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2005年08月29日 12:05 in 魚&水棲生物

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