2005年08月25日

【香港】政府、本土産淡水魚を全面管理へ

 政府は中国本土産淡水魚から発がん性のある合成抗菌剤マラカイトグリーンが検出された問題の再発防止のため、◇卸売市場以外での取引禁止◇養殖場登録制度の導入◇衛生証明書の発行基準の明確化などを柱とした淡水魚の産地表示制度を早ければ今年末にも導入、本土産淡水魚を全面的に管理することを明らかにした。政府は22日も中国本土産淡水魚に対する抽出検査を実施、マラカイトグリーンが検出された例は13件増加して計21件となった。

 新たにマラカイトグリーンが検出された本土産淡水魚にはナマズ、ライギョ、ブラックバスが含まれており、21日の検査で検出されたものと合わせると、合わせて8種となった。

 ■26日までは「毒魚」流入

 22日から香港への輸出が再開された本土産淡水魚には、マラカイトグリーンが含まれていないことを証明する本土側の衛生証明書があることになっていた。しかし衛生福祉・食物局の周一嶽(ヨーク・チョウ)局長は、この証明書の検査項目にはマラカイトグリーン関連の検査は含まれておらず、証明書がどのように発行されたものかについても把握していないことを認めている。つまり現実には、政府が26日に法律を改正してマラカイトグリーンを食物内有害物質に認定するまでは、中国本土から流入する「毒魚」を防ぐ手だてはないというのが現状だ。

 周局長はまた、現在の淡水魚輸入制度には「申請が不要」、「産地が不明」、「検査基準が不明確」などの欠陥があることも認めている。

 ■年末にも産地表示制を導入

 そこで政府は、淡水魚の識別と管理を容易にするため産地表示制度を導入、淡水魚を全面的に管理する意向を明らかにした。政府案によると、抽出検査を容易にし産地を明確にできるよう、卸売市場以外での魚類取引を禁止する。また、香港向けに輸出される淡水魚などの養殖場を登録制にし、当局が視察できるようにする。さらに、中国本土との間で話し合いを行い、衛生証明書の発行基準も明確にするという。

 漁農自然保護署と食物環境衛生署は、現在同制度の実現可能性について複数の漁業関係団体と検討を続けている。制度の導入時期について、漁農自然保護署の梁肇輝副署長は、「早ければ今年末か来年初めにも導入される」としている。

 一方で一部の業界関係者からは、「魚体に産地を表記するのは難しい」との声も上がっている。これについて梁副署長は、「表記は冷凍の魚であれば発泡スチロールの容器に、生きた魚であれば魚体に直接表記するか、ビニール袋に入れた上で発泡スチロール製容器に入れれば問題はない」としている。

 ■コストは10%高に

 新界養魚協進会の黎来理事長は、「産地表示制度が実現すればコストは約10%増加するが、消費者の信頼を回復させることがより重要」と述べ、同制度への理解を示した。
(NNA)

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Posted by DODGE at 2005年08月25日 10:20 in ブラックバス問題, 魚&水棲生物, 自然環境関連

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