2005年08月23日

近畿大 廃棄物利用した「浮島」で水質浄化の実験始める

 廃ガラスのくずや木炭などを網に詰めた「浮島」を河川に浮かべ、付着した微生物が富栄養化物質を分解することで水質浄化させる実験を、近畿大理工学部社会環境工学科の玉井元治教授らのグループが始めた。分解された物質は、浮島上部を飾る植栽の栄養分にもなる。都市河川をターゲットに、水質改善と緑化による景観向上、廃棄物の再利用、水辺生態系の創出という「一石四鳥」の効果を目指す。

 縦1メートル、横2メートル、高さ80センチの粗めの網にガラスくずと木炭、軽石を層状に詰めて、発泡スチロール片を取り付けて浮かべる。網の中を汚れた水が流れる際、微生物による分解作用を受ける仕組み。室内の実験では5日間で富栄養化物質のリンが45%、窒素化合物は20%が除去されたという。
 網の中はカニやタニシなど水生生物のすみかになり、浮島で水鳥が羽を休めることもできるため、水辺の生態系形成にも役立つという。
 実験は、大阪市都島区の桜之宮公園を流れる大川で、計5基の「浮島」を使い、9月末まで実施中。玉井教授は「都市部の河川の護岸に置けば、親水空間の創出が図れる」と話している。【宇城昇】
(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-社会-毎日新聞

Posted by DODGE at 2005年08月23日 11:34 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

mark-aa.jpg