アフリカ南東沖の複数の海域で見つかっている「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスは、互いの遺伝子に大きな違いはなく、元は1つのグループだったとみられるとの研究結果を、ドイツのマックス・プランク研究所などのチームがまとめ、16日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
シーラカンスは1938年、アフリカ南東部のインド洋で初めて捕獲されて生存が確認された。その後、52年にマダガスカル島の北西にあるコモロ諸島で発見されて以降、ケニア、タンザニア、モザンビーク、南アフリカなどアフリカ南東部に沿った海域で次々に見つかった。また、98年にはインドネシア・スラウェシ島付近でも発見されている。
チームは、アフリカ沖のシーラカンス47匹について「ミトコンドリアDNA」の配列などを分析。その結果、海域が違っても、ミトコンドリアDNAには大きな違いが見られず、単一の大きな集団に属していることが推定できたという。
(共同通信)