檜山管内今金町の美利河(ぴりか)ダムのため分断された後志利別川で、サクラマスなどの行き来を復活させるため北海道開発局函館開発建設部が建設していた2.4キロの魚道が完成し、26日、通水した。国内の魚道では兵庫県の青野ダムの魚道(730メートル)を抜き、全国最長となった。
魚道は、ダムの落差が40メートルあるためダム直下からピリカ湖沿いを緩やかにう回し、後志利別川の支流・チュウシベツ川に合流する。長いため、魚が休憩したり越冬するため川幅にふくらみを持たせた“待避プール”も造った。大半は自然石を敷き詰めて蛇行させ、一部をコンクリートで階段状に作った。総工費約20億円。
現地で行われた通水を祝う会で、NPO「後志利別川清流保護の会」の秋元寿理事長は「魚道は地域の願望だった。地域の財産を知り、親しんでほしい」とあいさつ。町立美利河小と花石小の全児童18人がヤマベ(サクラマスの稚魚)約500匹を放流した。
ダムは92年に完成。それ以前はサクラマス、アメマス、アユなど23種の魚類が生息していた。【安味伸一】
4月27日朝刊
(毎日新聞)