ブラックバスのうち、オオクチバスについて環境省の専門家グループ小会合が特定外来生物の指定を先送りしたことに対し、滋賀県は19日、「生態系に影響がないとの誤解を与えかねない」と反発し、環境省に早急に指定するよう求める要望書を提出した。一方、バス釣りの関連業者からは「ほっとした」「本決定ではなく不安」との声が上がった。
この日、上京中の国松善次知事は急きょ環境省を訪れた。事務次官らと面会し、小池百合子大臣あての文書を手渡した。文書は「この30年間に琵琶湖沿岸域に生息する魚類の大半がブルーギル、ブラックバスの外来魚で占められるようになり、生態系は危機的な状態に陥った」として、指定とともに徹底的な防除を求めている。
特定外来生物に指定されると、運搬や保管、輸入が研究目的などで許可を得た場合を除いて禁止される上、国や自治体が予防と駆除を促進することになる。県は「琵琶湖レジャー利用適正化条例」で外来魚を再放流禁止とするなどブルーギルやブラックバスの駆除に力を入れている。
県自然環境保全課は「琵琶湖で釣り人がブラックバスと呼んでいるのがオオクチバス。それが指定されないとなると、生態系に影響がないとの誤解を与えかねない」と危ぐする。
現時点でのブラックバスの指定に反対する署名活動に取り組む県フィッシングボート協同組合の菱田敬一組合長(51)=志賀町=は「ほっとした」と歓迎しつつ、「規制ありきの議論ではなく、釣り団体も交え、ブラックバスが生態系に与える影響をもっと詳細に調査した上で判断するべきだ」と主張する。
ルアー販売業川原崎弘之さん(35)=能登川町=は「在来魚の増加も願っているが、売り上げの9割がバス釣り用である以上、指定されて駆除が進めば生計を立てられなくなる恐れがある。最悪の事態は避けられたが、先送りでは複雑な気持ちだ」と話している。(京都新聞)