2005年01月20日

<ブラックバス>飼育規制の「特定外来生物」指定を先送り

 ブラックバス類の一種で北米原産のオオクチバスについて、環境省は19日、5月に施行予定の特定外来生物被害防止法に基づき輸入や移動、飼育を規制する「特定外来生物」への指定を半年間先送りすることを決めた。釣り関係者から「すぐに指定されると釣り人の間に混乱が生じる」などの懸念が出されたため。半年間で優先的な対策が必要な地域や駆除方法に関する指針を策定した上で、今年秋にも改めて指定に持ち込みたい考えだ。

 ブラックバスは繁殖力が強く、在来魚の稚魚や卵を好んで食べるため、生態系への影響が広がっている。だが、ルアー釣りの対象として人気が高く、市場規模は1000億円ともいわれる。
 環境省は昨年11月に専門家会合を設け、ブラックバスの中でも主要なオオクチバスの特定外来生物の指定について議論してきた。会合では、生態系への影響を指摘する研究者らと、経済的影響などを心配する釣り業界の関係者が対立していた。
 だが、19日の会合で、オオクチバスが「地域的な在来生物の絶滅をもたらしうること」や「これ以上の分布の拡大を抑制する必要がある」ことについては両者の認識が一致した。一方、指定前に駆除の在り方を検討しておくことが制度の円滑な運用につながることも確認された。
 これを受け環境省は、研究者や漁業、釣り関係者らによる合同調査委員会を新たに設置し、ブラックバスの駆除のための指針づくりを進めることを決めた。モデル地域で駆除テストを実施しながら、具体的な方法や対策が必要な地域を選ぶ。
 環境省は「駆除の指針が決まれば、指定に対する釣り関係者の理解も得られるはず」と話すが、釣り関係者の中には「指定の是非は、指針の策定後に改めて検討する」との意見もあり、議論がさらに長引く可能性も残されている。【河内敏康】

+Yahoo!ニュース-社会-毎日新聞

Posted by jun at 2005年01月20日 01:09 in ブラックバス問題

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