現在フロリダ州を舞台に開催されているエバースタート・シリーズ・サウスイースト第1戦にて首位で決勝へ進出したJTケニー。知名度は低いが、実はレイク・オキチョビー戦に関してはトップレベルの成績を高い確率で残しているアングラーの筆頭格である。ここでは明日から行なわれる決勝を前に、ケニーの知られざるキャリアを過去のデータを交えて記してみたい。
BASS CITGOバスマスターツアーやWal-Mart FLW TOURで活躍する選手を押しのけて、毎シーズン、フロリダ州レイク・オキチョビー戦では必ず優勝候補に挙げられているアングラーがいる。それが1974年7月11日生まれ、メリーランド州在住のプロアングラー、JTケニーである。彼はFLW TOURやバスマスターツアーに参戦する選手なのだが、オキチョビー戦に関しては、素晴らしい成績を連続して残しているアングラーなのだ。現在開催されているエバースタート・シリーズ・サウスイースト第1戦でも予選をトップで通過している。
ではまず、JTケニーが出場した、ここ数年間のレイク・オキチョビー戦の成績を振り返ってみたい。
次に彼の年間成績を見てみたい。
JTケニーのキャリアは1998年にBFLのゲーター・ディビジョン(BFLのフロリダ・チャプターのようなもの)からはじまっている。ケニーのプロフィールによれば彼はメリーランド在住のはずだが、実は90年代に2年間、彼はフロリダ州に住んでいたらしいのだ。経歴には彼がゲーター・ディビジョンでノンボーターとして参戦していたと記されている。その後メリーランドに移住し、BFLノースイースト・ディビジョンに参戦。2003年には総合2位でフィニッシュ。同年、Wal-Mart BFL オールアメリカン にクオリファイされ8位でフィニッシュした。これと前後してBASSのオープン戦やエバースタートに出場し、現在は両団体のツアーに参戦している。
ここからは現在開催されているエバースタート・サウスイースト第1戦における、彼の成績と過去の優勝ウエイトを比較しながら、ケニーの強さを検証してみたい。
まず、現在開催されているサウスイースト第1戦の成績を記しておこう。
2002年FLW TOUR第1戦優勝時のウエイト
予選初日:14-03(5尾)10位 2日め:13-06(5尾) 合計27-09 7位で通過\n決勝初日:21-10(5尾)1位 最終日:21-13(5尾) 優勝
2002年エバースタート・サウスイースト第1戦優勝時のウエイト
予選初日:2-00(1尾)57位 2日め:11-11(5尾) 合計13-11 9位 で通過
決勝初日:8-00 (5尾)4位 最終日:8-09(5尾) 優勝
2004年エバースタート・イースタン第1戦4位時のウエイト
予選初日:15-13(5尾)4位 2日め:8-09(5尾) 合計24-06 16位で通過\n決勝初日:13-09(5尾)3位 最終日:10-03(5尾) 4位
2003年BASSサザンオープン第2戦時のウエイト
初日:22-10(5尾)3位 2日め:23-14(5尾)1位 合計46-08 1位で通過\n決勝最終日:15-04 (5尾) 初日からの合計61-12 優勝
JTケニーは初日のウエイイン時に「レイク全体がマッディになっていて、アングラーは水質のいいエリアに集中している。私の周りにも選手がたくさんいた。今日は7尾しか釣れなかったが、どれもいいサイズだった。でも明日も同じウエイトが出るかわからない。(決勝に進出するために)セーブしたほうがいいのか、どうなのか。明日はタフになるだろう」と予測していた。
そして予選最終日の6日、ケニーは「(昨日と同じエリアに入って)今日は3Lbをウエイインできれば、決勝に進めるだろうと思っていたが、開始30分でフリッピングで6Lbを釣り上げてしまった(笑)。そのあとはフィネスワームにチェンジしてバスをレイドオフ(攻めることから解放すること)したけど、それでも20尾くらい釣ってしまって、結局16Lb2ozになった。フィネスは私のスタイルではないのですぐ飽きて、その後はフックを曲げてフリッピングをしたんだが、10尾くらいバイトしてきて、8パウンダーらしきバスが数尾ボートの側まで寄ってきた」と16Lbを釣り上げながらもまだ余裕があった事実を激白している。
また決勝に向けて「(両日合計で)40Lbを釣れば優勝できるだろう。私はオキチョビーでフリッピングしかしない。明日からはフリッピングロッドと共に心中するつもりで撃ち込む」と威風堂々と胸を張ったという。
ちなみに彼が使用しているルアーは、リアクション・イノベーションズのスモーリー・ビーバー(フリッピング)である。
なんともスゴいアングラーが出現したものだ。他のレイクでは実力を出し切れていないが、エバースタートとFLW TOURのシーズン第1戦、つまりシーズン始めのオキチョビー戦に限っていえば、もっとも恐れられる選手として君臨している。彼が「キング・ケニー(ケニー王)」と呼ばれる理由がわかる。若干30歳の若手アングラー、JTケニーは、サウスイースト第1戦、そして19日から開催されるFLW TOUR第1戦をどう料理するのだろうか!?