2005年01月04日

琵琶湖の環境事業費 大幅削減へ 滋賀県が検討 財政難受け

 滋賀県は来年度から3年間で、琵琶湖の環境に関する事業費を他の事業とともに、大幅に削減することを検討している。財政が窮迫するのを受けて、力を入れる環境分野でも費用対効果や重要度をこれまで以上に厳しく見極めざるを得ないためだ。対象には、市民が琵琶湖保全の大切さを学ぶセミナー船「みずすまし号」の廃止のほか、外来魚の駆除を促進する「ノーリリースありがとう券事業」の取りやめなどが挙がっている。

 みずすまし号は、子どもから大人まで市民が湖上でプランクトンの採取や透明度を調べる場として1989年度から活用している。県内の全小学5年生を対象にした「うみのこ号」と同様の環境学習船で、2003年度は2420人が利用した。老朽化が激しく、維持管理費が年々かさむことが廃止対象の理由で、同費は04年度で1500万円の見込み。
 「ノーリリースありがとう券」事業は、ブルーギルやブラックバスなどの外来魚500グラムにつき、商店などで使用できる50円券1枚と交換する。03年度に始まったばかりだが、再放流禁止の趣旨が市民に一定周知されたとして、05年度いっぱいで廃止する方針だ。
 このほか、琵琶湖の酸性度や窒素分などを24時間態勢で調べている水質自動測定局については、全18カ所のうち、志賀町南比良沖を残して他の17カ所の休止を検討している。重金属や農薬などの濃度が計測できない上、維持管理費が年間約2億円かかるためで、別に湖岸と湖上の計49地点で実施している水質調査を含め、観測の在り方を再検討する。
 また、県はプレジャーボートの環境対策型エンジンへ転換を促す事業の廃止や、公共下水道整備事業の補助率縮小なども検討項目に挙げている。
 県は税収の落ち込みや3位一体改革の影響などのため、05年度から3年間の財源不足を1340億円と試算。「県行政のより一層のスリム化と効率化」や「施策の選択と集中」などの観点から行財政改革に取り組むなかで、環境事業も見直しを目指している。(京都新聞)

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Posted by jun at 2005年01月04日 00:02 in 内水面行政関連

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