熊本市は16日、南区の力合西小の敷地内で、特定外来生物の毒グモ「ハイイロゴケグモ」が相次いで約30匹見つかったと発表した。熊本県内で確認されたのは初めて。児童らがかまれるといった被害は確認されていないという。
市によると、神経毒を持つ雌の体長は1センチほど。攻撃的ではないが、かまれた場合は腫れや痛みの症状が出ることもある。全体的に茶褐色で、球状の腹部に赤い模様がある。
9日に、児童が校舎とプレハブをつなぐ屋外の渡り廊下でクモを発見。その後、保健所や学校職員らが校内を点検し、16日までに体育館の周りや校舎の外壁などで成体約30匹のほか、卵が入った卵のう約140個が見つかった。すべて、殺虫剤などで駆除した。
力合西小は中庭や遊具の使用を中止した。市は生息範囲を広めている可能性も考慮。市民に「発見しても素手で触らず、殺虫剤を使ったり、靴で踏みつぶしたりして駆除してほしい」と呼びかけている。
ハイイロゴケグモはセアカゴケグモの仲間で、熱帯や亜熱帯に分布。国内では1995年に初めて見つかり、熊本以外では、福岡、宮崎など13都府県で確認されている。(久保田尚之)