天然記念物ケナガネズミの死骸見つかる 野良猫が襲撃か 奄美市住用

 環境省奄美野生生物保護センターは7日、奄美市住用の集落で、国指定天然記念物のケナガネズミがネコに襲われ死んだと発表した。奄美大島の住宅地でケナガネズミの死骸が見つかったのは初めて。集落で人から餌をもらうなどする野良猫か、放し飼いの猫が補食したとみられる。


 民家敷地で2月13日、頭部をかみ切られた死骸を住民が見つけた。国立環境研究所(茨城県つくば市)が鑑定し、尻尾などからネコの遺伝子を検出した。
 同省は特定外来生物のマングース駆除に伴い、ケナガネズミやアマミノクロウサギなど希少な在来種の分布域が拡大し、集落に姿を見せる機会が増える可能性を指摘。後藤雅文・離島希少種保全専門官(35)は「飼い猫を捨てたり、放したりすることで希少種の捕食が懸念される。改めて室内飼育の徹底を呼び掛けたい」と話した。
 奄美大島では昨年、21匹のケナガネズミの死骸を確認。少なくとも2匹がネコかイヌに補食されたとみられる。
+Yahoo!ニュース-地域-南日本新聞