2005年12月24日

有害物質、琵琶湖流入か 大津汚水投棄 工場沿い河川へ

 電子部品用ガラス加工会社「暁精工所」(大津市堅田2丁目)が未処理の洗浄水を下水道に流していた問題で、有害物質の鉛などを含んだ別の汚水の一部も同社工場沿いの河川に流出していたことが、23日までに大津市の調べで分かった。

 汚水からは滋賀県公害防止条例が定める基準の25倍の濃度の鉛が検出され、市は県条例違反とみて調べている。汚水が河川から琵琶湖に流れ込んだ可能性もあり、周辺の住民からは不安の声が上がっている。
 大津市は、ガラスの切断や研磨の際に鉛を含んだ細かいガラス粉が飛び散ったり、洗浄水の処理過程で出る油類が流れる工場内の施設を管理区域に定め、有害物質の処理の徹底を求めている。
 同社は、管理区域内のガラス粉や油類を水道水で洗い流し、工場そばの河川沿いに設けた側溝(長さ約20メートル、幅25センチ)にためている。市が同社に確認したところ、側溝の汚水は手動ポンプでくみ上げ、適正に処理しているが、雨が降ると汚水があふれ、河川に流れ出していたという。
 市が採取した側溝の汚水からは、県条例で定める基準(1リットル当たり0・1ミリグラム以下)の25倍の鉛が検出された。市は、基準を超える排水を河川に流すことを禁じた県条例に違反しているとみて、同社から詳しく事情を聴いている。
 河川は、同社から約500メートル下流で琵琶湖に注いでおり、堅田漁協の松田繁雄組合長は「考えられない行為で、魚への影響が心配だ。会社と、これまで気付かなかった市に抗議したい」と怒りをにじませる。
 近くの主婦も「最後まで責任をもって汚水を処理してほしい」と憤っていた。
(京都新聞)

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Posted by jun at 2005年12月24日 23:30 in 自然環境関連

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