2005年12月19日

くぼ地からアユモドキ救出 亀岡 災害復旧工事の着工前

 昨年の台風23号の増水によって京都府亀岡市の保津川支流の川底に出来たくぼ地で、国の天然記念物のアユモドキが発見されたことから、災害復旧工事の着工を前に、府南丹土木事務所や亀岡市、NPO法人(特定非営利活動法人)が17日、生息個所からアユモドキを救出した。

 新たにアユモドキの生息が確認されたのは、昨年10月の台風23号による増水で、川底に敷いた河床ブロックが流れされて出来たくぼ地。今年6月中旬に、アユモドキの保護活動に取り組むNPO法人「亀岡人と自然のネットワーク」が約15匹を確認した。
 この場所が、府による災害復旧工事の対象区域に指定されていたことから、府や亀岡市が同ネットワークや研究者を交えて対策を協議していた。この結果、工事着工前に水をポンプで吸い上げた上で、アユモドキを救出することになった。
 17日には、関係者たちが、干上がった約30平方メートルの区域から手や網で小魚をすくい上げ、アユモドキ1匹を救出した。前日にすくし上げたアユモドキと合わせ計2匹を同河川の下流域に放流した。
 今後着工される工事では、完成後にもアユモドキの生息場所を確保するため、元の位置に戻した河床ブロックの間に大きさの異なる石を置き、アユモドキが隠れられる配慮を行う。
 救出に参加した京都大の岩田明久助教授(魚類分類学)は「災害復旧という待ったなしの事業の中で、関係機関が連携して救出できたことは大きな成果。今後も、アユモドキの保護に向け関係を強化していきたい」と話している。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2005年12月19日 10:18 in 魚&水棲生物

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