2005年12月12日

タナゴの保護考える 菰野でサミット

 【三重県】コイ科の淡水魚、タナゴの保護や水環境の保全を考える「第1回全国タナゴサミットin菰野」(中日新聞社後援)が10日、菰野町役場で開かれた。全国の研究者らでつくる「たなご集会」が呼び掛け、保護団体のメンバーら約200人が事例報告や意見交換をした。

 サミットは、岐阜経済大経済学部の森誠一教授(動物生態学)の講演から始まり、タナゴを取り巻く現状が報告された。森教授は、伊勢湾と琵琶湖、淀川水系の間にある東海地方を「日本でも有数の淡水魚の豊かな地域」と説明。その一方、周辺環境の変化がタナゴの生息に影響を与えている実情を指摘した。

 森教授は、治水や利水を目的に、多くの河川が直線に整備されたり、川底が平たんにされたことを「生物が何を欲しているかの調査研究がされず、事業にも生かされなかったことが一番の問題」と指摘。生態系を崩す外来魚の放流拡大も防ぐため「生物の保護を、地域の問題として住民に実感してもらうことが大切」と述べた。

 また、たなご集会の加納義彦代表は、大阪府八尾市の高安地区で実践しているニッポンバラタナゴの保護活動を紹介。タナゴは、ため池にすむドブガイのえらに卵を産むとし、池の水を抜いてヘドロを除く「池干し」が水質環境を維持するのに効果があるとした。

 このほか、全国の保護団体による人工授精の事例報告やパネル討論もあった。

 (神田要一)
(中日新聞)

+Yahoo!ニュース-三重-中日新聞

Posted by DODGE at 2005年12月12日 10:41 in 魚&水棲生物

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