2005年11月27日

有毒物質すでに露到達? 極東河川汚染 中国側が謝罪

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのラジオ放送「エホ・マスクブイ」は二十六日、専門家の話として、中国吉林省の石油化学工場爆発事故で流出した有毒物質が河川を通じてロシア側の村に到達したことが確認されたと報じた。また、北京発イタル・タス通信は、中国側が極東の河川汚染をもたらしたことを認め、ロシア側に謝罪したと伝えた。

 有毒物質が到達したのは、ロシア極東のレーニンスコエ村。同村で採取された川の水のベンゼン系有毒物質含有量が最大許容濃度の二倍だった。ただ、有毒物質が極東の中心都市ハバロフスクに到達するのは、早くとも十二月一日ごろになるとしており、有毒物質含有量も許容範囲内になるとの見方を伝えた。
 ロシア極東管区のイスハコフ大統領全権代表は二十五日、河川汚染問題に関する特別対策本部を設置、一日に二回、河川の水質をチェックするよう命じた。同管区の軍部隊など約千人を有毒物質流入の汚染除去対策のため関係施設に展開したという。
 しかし環境汚染に対する懸念は高まっており、世界自然保護基金(WWF)ロシア支部は、今回の河川汚染が事故現場の下流にあるロシア領のアムール川に生息する魚介類、川底の水生植物に多大な被害をもたらすだけでなく、同川の生態系にも多大な影響を及ぼす危険があると警告し、調査を始めた。
 一方、中国の李肇星外相は二十六日、ラゾフ駐中国ロシア大使に「深い謝罪の意」を伝え、ロシア側専門家を事故現場に招待し、今後の対策などについて説明する意向を示した。
 中国側は、有毒物質が来月八、九日ごろにロシア領内に到達し、同二十一日ごろ、ハバロフスクに達すると説明しており、ロシア側の見方と食い違っている。
(産経新聞)

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Posted by jun at 2005年11月27日 20:21 in 自然環境関連

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