2005年10月22日

外来魚の特性調べ 在来種守れ 草津の実験センターで駆除法探る

 琵琶湖の在来魚をオオクチバスやブルーギルなど外来魚の食害から守るため、国交省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所が20日、草津市志那町の琵琶湖・淀川水質浄化共同実験センターで、在来魚の産卵・成育地に外来魚を侵入させない方法を探る実験を始めた。

 国内で初めての取り組みとして水路の流速や堰(せき)の高さ、光や音に対する外来魚の反応を調べ、在来魚と外来魚の特性の違いを確認して駆除に役立てる。
 琵琶湖では、湖岸近くの水田や内湖で産卵したフナ、コイなどの卵や稚魚が、琵琶湖に流れ込む河川や水路を遡上(そじょう)してくる外来魚に食べられる被害が目立ち、在来魚減少の要因の一つになっている。
 同センター内の人工池でも近年、近くの葉山川から侵入したブルーギルが繁殖し、在来魚の食害が起こっている。このため、センターを運営する同事務所が外来魚の駆除実験に乗り出した。
 水路を使った実験では、水面下の堰の高さを40-10センチに変えたり、流速を毎秒1メートルまで速めるなどして流れに変化を与えた上で、オオクチバスとブルーギルが24時間以内に堰を越えた個体数を確認。遡上能力を測る。
 光の実験は、オオクチバスとブルーギル、在来魚のギンブナに対して行う。水槽ごとに上から青、黄、赤、白の集魚灯を当てて、対応の違いを観察する。また、音の実験もこの3種に対し、水中のスピーカーから音の大きさと音階を変えた連続音と断続音を流し、音の好みを調べる。
 同事務所河川環境課の佐久間維美課長は「外来魚の遡上能力や色、音の好みが分かれば、効率的な駆除方法が確立できる。特性の違いを利用して、在来魚とのすみ分けにも活用できるのではないか」と話している。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2005年10月22日 12:07 in ブラックバス問題

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