2005年10月20日

<外来カブトムシ>「捨てないで」小学館が月刊誌で呼びかけ

 子どもに人気の漫画「甲虫王者ムシキング」を連載している小学館(東京都千代田区)は、12月号の月刊誌に、外国産カブトムシを捨てないように呼び掛ける記事の掲載を決めた。外国産昆虫類の飼育は人気を集めているが、捨てられた場合、日本産と交雑する恐れがある。逃がさないように訴える異例のキャンペーンを行っていた環境省は「子どもが読む本で直接、訴えることは大切なこと」と歓迎している。

 掲載されるのは「小学1年生12月号」(来月1日発売)など7誌。記事では、環境省の取り組みに触れ「外国の虫を捨てないで」と呼び掛ける。小学館は「各方面からの意見をもとに、子どもたちへの啓蒙(けいもう)活動が必要と判断し、掲載を決めた」としている。
 ムシキングは、日本も含め世界のカブトムシやクワガタについて、強さや技のデータが入ったカードを使い対戦するカードゲーム。大手ゲーム機メーカー「セガ」が03年にゲーム機として開発。カードは2億8000万枚(先月末現在)も発行され、昨春からは漫画の連載も開始された。小学館の関連出版物は240万部を超える。
 一方、ムシキング人気などもあり、外国産カブトムシなどの輸入が急増。飼育に飽きて捨てられても、日本の気候で繁殖できる種類もおり、日本産とも交雑する。環境省によると、外国産と日本産が交雑した個体が、2匹見付かっている。
 6月に特定外来生物被害防止法(外来生物法)が施行されたが、外国産カブトムシなどは「規制すると大量遺棄につながる」として、規制対象にならなかった。
 小学館などに意見書を出していたWWF(世界自然保護基金)ジャパンは「時期的に少し遅れたが、対応してくれたことは非常にありがたい」と評価する。【佐藤岳幸、江口一】
(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2005年10月20日 10:43 in 自然環境関連

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