2005年09月27日

絶滅危惧種のシナイモツゴ JR古川駅が「里親」に

 国の絶滅危惧(きぐ)種に指定されている淡水魚シナイモツゴが、JR古川駅2階コンコースで飼育、展示されている。保護・繁殖に取り組む宮城県鹿島台町のNPO法人「シナイモツゴ郷(さと)の会」が募った「稚魚の里親」に、同駅が名乗りを上げて実現した。乗客らが興味深げに水槽をのぞいている。

 展示されているシナイモツゴは、「卵の里親」になった鹿島台小の4年生18人が、6月から学校の池で人工繁殖した。体長3-5センチ。子どもたちから預かった稚魚を会のメンバーが駅まで慎重に運び、1日約8000人の乗降客が通るコンコースの水槽に移した。

 魚と一緒に子どもたちが書いた作文も駅に渡した。「大事に育ててください」「いろんな人に見てほしい」といった内容で、受け取った斎藤厳営業総括助役は「大切に育てる。多くの人にシナイモツゴのことを知ってもらい、保護の輪を広げたい」と話していた。

 1916(大正5)年に鹿島台町の品井沼で発見されたシナイモツゴは、ブラックバスによる食害などで激減した。郷の会は、人工繁殖した卵や稚魚を公募の里親に飼育してもらう試みを今春から始め、個体数の増加と成育域拡大に努めている。

[シナイモツゴ]コイ科の淡水魚で日本固有種。水圧や水流を感じる側線部が不完全なのが特長。関東以北に生息していたが、戦後急速に数を減らした。1999年には環境省の「日本の絶滅のおそれのある野生生物」(レッドデータブック)の絶滅危惧種に指定された。

(河北新報)

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Posted by DODGE at 2005年09月27日 10:40 in 自然環境関連

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