2005年09月10日

”国政“以上に”漁“大事? 青森・大間

 豪快なマグロ一本釣りで知られる本州最北端の町、青森県大間町(衆院青森2区)が、国政選挙の投票率低迷にあえいでいる。前回(2003年)の衆院選では、並み居る都市部を抑えて、東北6県の市町村で最低の45.19%を記録した。背景には、漁師の仕事と人々の気質が、深くかかわっているようだ。(むつ支局・村上浩康)

 同町の投票率は、04年の参院選が48.23%(青森県で最低、東北ワースト3)、01年参院選も47.72%(東北ワースト9)にとどまった。低投票率は、都市部の「専売特許」と思われがちだが、有権者数約5200人の港町が堂々と渡り合っている。

 町選管は「昔からの課題だが、地域性としか言いようがない。有効な手だてがなくて…」と、ほとんどお手上げだ。なぜだろうか。港にいた漁師たちに聞いてみた。
 「今もイカ釣りで、みんな三沢や八戸に出ている。選挙に行く時間があったら、漁に出るだろ」「なんも変わらねえから。今まで政治家が何かしてくれたか? ないだろう」「関心ない。大臣とかエライやつなんて、くそ食らえだね」…などなど。

 漁師の声は、数字にも表れている。男性の投票率は、常に女性より5ポイント以上低い。前回の衆院選でも女性の投票率が47.97%だったのに対し、男性は42.36%だった。
 大間漁協の泉一郎組合長は説明する。「大間の漁師は大型船が多く、みんな一国一城のあるじ。頼れるのは政治家じゃなく自分の力だけ、という人が多い」。なるほど。漁師気質を表していて説得力がある。

 一方で、地元に密着した選挙になると、投票率が一気に上がるのも特徴だ。町長選は、無投票だった04年12月を除けば、軒並み90%前後をキープ。地元選出議員がいる県議選も70%台だ。また国政でも、江渡聡徳前議員(自民)と、転進前の三村申吾知事が、下北票を激しく奪い合った2000年衆院選は、県平均(61.04%)を6ポイント以上も上回る67.52%だった。
 たかが選挙、されど選挙。熱い戦いになれば、トコトン燃えるのも漁師気質、かもしれない。(河北新報)

Yahoo!ニュース-東北-河北新報

Posted by jun at 2005年09月10日 10:35 in その他のニュース

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