2005年09月10日

コイヘルペス病 耐性コイ、茨城県が天然稚魚の飼育試験

 茨城県の霞ケ浦で03年10月、コイヘルペスウイルス病(KHV)に感染した養殖コイが大量死した問題で、県はKHVに感染しても発病しない耐性コイを育てるため、天然コイの稚魚の飼育試験を始めた。県によると養殖コイと違い、天然コイではKHVによる大量死は確認されていない。県はこれまで養鯉(ようり)業者に「養殖の自粛」を求めてきたが、「耐性コイが飼育できれば養殖再開」に方針を転換した格好だ。

 県によると、試験飼育を始めたのは天然コイの稚魚計約9万4000匹。霞ケ浦で採取した。8月から今月上旬にかけ、湖内の6カ所に計18の網いけす(縦・横約5メートル、深さ約2.5メートル)を用意し、稚魚の数を2000匹、5000匹、1万匹と3種類に分けて飼育し始めた。07年秋まで飼育し、KHV感染の有無、感染しても発病して死んでいないか、などを調べる。その後、大量飼育、出荷方法などを詰める。
 霞ケ浦では天然コイの大量死は確認されておらず、県の調査では、KHVに感染していても発病しないコイが見つかっている。このため県は「天然コイはKHVに対して耐性が高いのではないか」と推測し、飼育試験に踏み切った。
 霞ケ浦ではこれまで、KHVによって1190トンの養殖コイが死に、病気の広がりを防ぐために処分された養殖コイは2467トンに及ぶ。かつて霞ケ浦の養殖コイは全国の出荷量の半分以上を誇ったが、全量処分後、県は養鯉業者に養殖自粛を求めている。【須田桃子】(毎日新聞)

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Posted by jun at 2005年09月10日 10:41 in KHV関連

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