2005年09月07日

南湖の「びわこ虫」激減 水草繁茂で幼虫育たず

 琵琶湖の南湖周辺を飛び回り、「びわこ虫」と呼ばれる水生昆虫「アカムシユスリカ」が激減していることが、滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター(大津市)の西野麻知子総括研究員の調べで6日までに分かった。個体数はピーク時に比べて約40分の一に減少しており、南湖に水草が繁茂したことが原因とみられる。

 アカムシユスリカは富栄養化した湖にすみ、琵琶湖では1966年に初めて確認された。体長約1センチで黒く、長い足と太いひげが特徴。湖底の泥地で成長した幼虫が、11月に羽化して成虫になる。かつては多くが湖近くを飛んで、照明や洗濯物に群がったり、室内の食べ物にくっついたりして迷惑がられていた。
 南湖では94年の大渇水(水位マイナス123センチ)をはじめ、この10年間で水位がマイナス90センチを下回る年が3回あった。渇水で日光が湖底近くまで届き、水草が光合成をして急速に拡大。南湖の湖底を覆う割合は94年に約10%だったが、近年は約80%まで増えている。
 西野総括研究員は毎年10月下旬から12月中旬、琵琶湖文化館(同市打出浜)の壁に紙を張り、100平方センチ当たりにとまる成虫の数を調査。結果、ピークの2000年は221匹いたが、年々減って04年はわずか5匹だった。西野総括研究員は「水草で泥地の質が変わったり、泥地がなくなって幼虫が生息できなくなった可能性が高い。今年も発生する数は少ないはず」と話している。(京都新聞)

Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by jun at 2005年09月07日 10:57 in 自然環境関連

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