シダ、キウイ、インコ…。温暖化とヒートアイランド現象で平均気温の上がった東京で、熱帯から亜熱帯原産の植物や野鳥が繁殖している。
国立科学博物館筑波実験植物園の主任研究官松元定さん(58)は5、6年前、JR日暮里駅ホーム向かいの石垣にシダが茂っているのを見つけた。南北の回帰線を中心に分布するホウライシダだった。温室で栽培されていたシダの胞子が風に乗り、根付いたという。
目黒区にある国立科学博物館付属自然教育園で1990年、野生化したキウイを発見。ニュージーランドや中国南部が原産の亜熱帯の植物だ。明治神宮などでも見つかっているという。
「最初は驚いて、まさかと思った」と同園主任研究官萩原信介さん(58)。「冬の温暖化が顕著になり枯れずに育つようになった」と分析する。
気象庁によると、東京は約100年間で8月の平均気温が2.4度上昇したのに比べ、1月は3・8度も上がっている。
(共同通信)