2005年06月28日

農業用ダムの貯水量が激減 滋賀県 空梅雨で深刻な影響も

 空梅雨の影響で、滋賀県内7カ所の農業用ダムの貯水量が激減している。東近江市の永源寺ダムの貯水率は30%にまで低下。干上がったダム湖では、ひび割れた地表や、水中に沈んでいた枯れ木が姿を見せている。同ダムでは1984年以降、6月としては過去最低の貯水率。多賀町の犬上ダムの貯水率も50%台で推移している。

 両ダムとも放流制限を始めており、関係者らは「7月以降も少雨が続けば、農作物に影響が出るのでは」と不安を募らせる。
 6月11日の梅雨入り後、目立った雨はなく、典型的な空梅雨となっている。滋賀県内の河川は干上がり、アユの「やな漁」ができないなど、深刻な影響が出ている。漁業者らは「自然が相手とはいえ、厳しい」と、うらめしげに晴れた空を見上げている。
 ■川\n 高島市安曇川町の安曇川は、渇水で河床が干上がり、雑草が際立つ。アユを捕る「やな漁」は最盛期に入った5月に8日間できただけで、今年2月からの総漁獲量は約1.6トンと昨季の約5%。昨秋の台風の影響などでアユ自体が少なくなっているのに加え、長期間の渇水が追い打ちをかけた。
 北船木漁協・やな組代表の橋本武一さん(65)は「自然が相手で、覚悟をして漁をしているが、あまりにひどすぎる。漁期の7月末まで漁ができないかもしれない」と絶望感を強めている。
 全長約62キロで県内最長の野洲川は5月初めから、水がほとんど流れない状態が続く。アユの釣り客は激減し、栗東市内の遊漁券販売所は「天然アユのそ上も期待できず、厳しい状況」とため息をもらす。
 ■琵琶湖
 近畿地方建設局琵琶湖河川事務所によると、琵琶湖の水位は25日現在、マイナス25センチ。昨年の同日より14センチ低い。5月以降の水位低下は、マイナス123センチを記録した大渇水の1994年とほぼ同じペースだ。
 ■雨量
 彦根地方気象台の調べでは、今年は4月以降の雨量が少なく、4、5月の彦根市内の降水量は平年値の49.6%減。6月の雨量もわずか39.5%ミリ(25日現在)で、6月の平年値の204.5ミリを大きく下回っている。県は「今後も少雨が続けば渇水の恐れもある」と警戒している。
 少雨の原因について、同気象台は「梅雨入り後、梅雨前線が日本の南海上まで離れ、高気圧に覆われたために晴れの日が続いている」と説明する。ただ、7月からは梅雨前線が北上し、平年並みの雨量が予想されるという。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2005年06月28日 11:30 in 自然環境関連

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