2005年06月25日

コクチバス被害:奥利根湖、人工産卵床で駆除成功−−5月末に20基設置 /群馬

 ◇宮城県・伊豆沼の好結果で導入
 奥利根湖でワカサギなどの在来種へ被害を及ぼすコクチバスについて、県は人工産卵床を使った誘因駆除法を導入し卵の駆除に成功した。県は00年度からコクチバス駆除を実施しているが、刺し網による成魚の駆除が中心で駆除量に限界があった。今回、大量の卵を簡単に駆除できる方式が成功したことで、コクチバス駆逐に一歩近づいた。

 県ぐんまの魚振興室によると、プラスチック製の苗ポットトレーで作った箱に、小石を敷き詰めて作った人工の産卵床(縦40センチ、横60センチ)を水深約1メートルの湖底に沈める方法。コクチバスが産卵床に卵を産みつけると産卵床ごと引き揚げて駆除する。コクチバスは1匹で5000〜1万粒の卵を産むため、一挙に大量駆除できる。宮城県・伊豆沼でよい結果を出したため、導入した。
 同方式の駆除は昨年も実施したが時期が遅く失敗したため、今年は産卵の始まる5月末に人工産卵床20基を設置した。うち6基は奥利根湖の湖底形状に合わせた小型なものなど県が独自に改良した。今月14日までに、伊豆沼式の3基に計2万粒の卵が産みつけられ、駆除できた。コクチバスの産卵期が終わる7月上旬まで続けるという。
 同湖のコクチバスは、昨年度の駆除数が約7000匹で、生息数は数万匹に上るとみられる。ワカサギやウグイ、ヨシノボリなどの在来種を多く食べるため、生態系への悪影響が指摘されている。最近では、これらを餌にするイワナやサクラマスも大きいものが釣れなくなり、影響が心配されている。
 同室は「これまでは成魚の駆除に手を焼いていたが、この方式は“コロンブスの卵”だった。最終的には撲滅したい」と意気込んでいる。【山田泰蔵】

(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2005年06月25日 18:35 in ブラックバス問題

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