2005年06月15日

滋賀県内の「アユモドキ」絶滅 生息環境悪化で ほぼ確実

 国の天然記念物で、滋賀県の絶滅危惧種に指定されている「アユモドキ」が県内ではすでに絶滅したことが、琵琶湖博物館(滋賀県草津市)を拠点に活動する市民グループ「琵琶湖博物館うおの会」や、県水産試験場(彦根市)の調査で、ほぼ確実となった。人為的な生息環境の悪化が原因と考えられる。

 うおの会は2003年9月までの6年間、琵琶湖沿岸をはじめ、内陸部の水路や河川など計2703カ所で、魚類分布調査を実施した。県の絶滅危惧種に指定されている9種類の魚のうち、ワタカやハリヨ、スジシマドジョウ大型種など8種類は確認できたが、アユモドキだけは採取されなかった。
 一方、水産試験場は02、03年に、湖沿岸や河川、内湖など計45カ所で同様の調査をした。アユモドキは採取されず、漁業者からの聞き取りでも生息を確認できなかった。前回調査(1994、95年)でも同じ結果だった。
 アユモドキはドジョウ科の淡水魚。日本の固有種で、体長は10−20センチ。農業用水路や河川、湖沿岸の岩場、石垣に隠れて生息する。50年代から急速に減少し、現在は琵琶湖淀川水系と岡山県に生息するとされているが、滋賀県ではここ10年以上、姿が確認されていないという。
 同博物館の中島経夫上席総括学芸員は「ほ場整備に伴う農業用水路のコンクリート化や、護岸の改修工事で、アユモドキの生息場所がなくなってしまったと考えられる。絶滅したと断定しても言い過ぎではないと思う」と話している。(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-京都新聞-

Posted by jun at 2005年06月15日 00:26 in 自然環境関連

mark-aa.jpg