2005年06月11日

外来生物法:県がアライグマ防除計画 「策定へ幅広く意見を」/神奈川

 ◇横須賀であすシンポ
 外国から入り込んだ動植物から日本固有の自然や生物を守ることを目的とした「特定外来生物被害防止法」が今月施行されたのを受け、県は急増するアライグマの防除計画を策定する。防除については、農業被害を防ぐため賛成の声がある一方、動物愛護の観点から反対も根強い。県は「計画策定にあたって幅広く意見を聞きたい」(緑政課)と、11日に横須賀市でアライグマ対策をテーマにシンポジウムを開く。

 新法に基づく規制対象は、もともと日本にいない生物のうち、生態系へ影響を与えたり、与える懸念がある37種。原則として輸入や販売、新たな飼育、野に放すことが禁止された。県内ではアライグマとタイワンリスの野生化が問題となっているが、うち農業被害が出ているアライグマについて、来年度から防除計画を策定することにした。
 アライグマは北アメリカ原産で、ペットとして持ち込まれた。県緑政課によると、80年代に野生化したものが、鎌倉市などで目撃されるようになった。鳥獣保護法に基づく捕獲は00年度に217頭だったが、03年度に903頭と急増。スイカが食い荒らされるなど農業被害は三浦半島を中心に年間900万円に上る。
 鳥獣保護法は、農業被害が出た場合などに限り防除を認めたが、新法は被害の予防の観点から積極的に駆除するのが狙い。ところが、もともとはペットとして人間が持ち込んだ動物を「殺処分」することは「人間の身勝手」との意見も根強い。
 そこで、県はアライグマの生息数や食性など基礎的な調査を始める一方、多様な意見を防除計画に反映させたい考えだ。シンポジウムは11日午後1時半から横須賀市文化会館で開く。環境省や県の担当者、野生生物の専門家や被害農家などが集まり、意見交換する。入場無料だが、事前に申込みが必要。問い合わせは県緑政課(045・210・4319)へ。【足立旬子】6月10日朝刊(毎日新聞)

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Posted by jun at 2005年06月11日 10:03 in 自然環境関連

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