ブルーギルやブラックバスといった外来魚を駆除し、琵琶湖のあるべき姿を取り戻そうと、「琵琶湖外来魚駆除の日」のイベントが30日、滋賀県草津市の烏丸半島多目的広場で開かれた。
市民団体「琵琶湖を戻す会」が呼び掛けて、外来魚駆除に取り組む県内外の12の団体とともに催した。約250人が参加し、釣りの入門講座や刺し網による駆除の実演、外来魚の解剖などが行われた。駆除釣り大会では、約160人が外来魚約2200匹(計92キロ)を釣り上げ、回収した。
会場では、守山湖岸振興会のメンバーが、稚アユのてんぷらとつくだ煮、シジミのみそ汁といった在来魚の料理を参加者に振る舞い、家族連れらが味わっていた。
京都府精華町の主婦小向和江さん(32)は「初めて琵琶湖で釣りをしたけれど、ブルーギルばかりでびっくり。琵琶湖が大変なことを実感した」と話していた。(京都新聞)
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◇バス、ギルの多さ確認
琵琶湖の生態系を外来種が繁殖する前の状態に戻すことを目標に活動する市民グループ、琵琶湖を戻す会が主催する「琵琶湖外来魚駆除の日」のイベントが29日、草津市烏丸半島多目的広場で開かれ、約300人が参加した。
今年で4回目を迎えた会場では、魚釣りをメーンに、在来種の魚介類を使った料理の試食会、ブラックバスの解剖なども行われた。
約30人が参加した解剖では、同会メンバーの説明に従ってブラックバスを1匹ずつ、次々とはさみなどで腹を切り開き、エサを確認。コアユやスジエビなど在来種の多さを目の当たりにした参加者からは驚きの声があがっていた。
在来種を釣る仕掛けで行った魚釣りでは1日でブラックバスやブルーギル約2200匹、92キロ釣れた一方、在来種はほとんど釣れず、改めて外来魚の多さを確認した。
釣り仲間と参加した東大阪市五条町、中馬敏さん(52)は、「好きな釣りで駆除に貢献できればと思い、参加した。ブルーギルばかり20匹が釣れた。琵琶湖は釣り堀じゃないんだし、釣り人の都合ばかりで放流を続けていてはいけない」と語った。
同会代表の高田昌彦さん(43)=大阪市中央区=は「新たな参加者が多く、関心の高さが感じられた」といい、「活動は認められつつあり、6月の外来生物法の施行に向け関心の高まりは頼もしい。外来種の駆除に向けて更に啓発活動を積極的に行っていきたい」と話していた。【高橋隆輔】5月30日朝刊(毎日新聞)