2005年05月25日

本来の再生力でヨシ、地下茎成長促す 滋賀県 人工植栽から転換

 琵琶湖岸のヨシ再生に向け、滋賀県は本年度からヨシ本来の再生力を生かした方法に切り替える。従来は苗を人工植栽していたが、コストをかけず、より生態系に配慮した形で取り組むためで、新たに湖上に木ぐいの突堤を設けて土砂の流出を食い止め、既存のヨシの地下茎が伸びやすい環境を整える。24日、大津市内で開かれた県ヨシ群落保全審議会で県が明らかにした。

 昨年度改定した「ヨシ群落保全基本計画」に基づく取り組み。県によると、10月から、びわ町川道の湖岸約1200メートルの範囲内に、地盤を洗い流す水流を食い止めるため、長さ20−30メートルの突堤を木ぐいで造り、それを5本設置する。土砂の堆積(たいせき)状況を確認しながら、来年度以降、2010年度まで順次、突堤の数を増やす。
 本年度は事業費4200万円を計上しており、来年度は湖北町今西、延勝寺の湖岸650メートルでも同様の事業を始める。
 県は1992年度からヨシの人工植栽を行ってきた。だが、費用が1平方メートル当たり約1万8000円と高い上、既存のヨシ群落とは異なる種別や産地の苗を植栽する例もあり、遺伝子への配慮も不十分だった。
 県自然環境保全課は「ヨシの再生力が十分でない場所では補助的な植栽も行うが、遺伝子への悪影響を防ぐため、その地域に繁茂するヨシを使う」としている。(京都新聞)

“Yahoo!ニュース-京都新聞-

Posted by jun at 2005年05月25日 11:22 in 自然環境関連

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