2005年04月29日

北湖の稚アユ半減 琵琶湖 台風で卵流出か 県水産試験場調査

 琵琶湖の北湖(琵琶湖大橋以北)で、今年1-4月の稚アユの群れ数が平年の約半分に減っていることが、滋賀県水産試験場(彦根市八坂町)の魚群調査で28日までに分かった。河川で産み付けた卵が昨年秋の台風による増水で流されたためとみられる。稚アユ漁にも影響が出ており、漁師からは「過去に例がないほど不漁」との声が出ている。

 調査は、1月から毎月2日間かけて北湖を探査船で周遊。水深30メートルで魚群探知機がとらえた群れを大中小に分類し、小の群れに換算して数字を出した。結果、1月は156群(平年比45%減)、2月は237群(同12%減)、3月は142群(同46%減)、4月は104群(同53%減)だった。
 同試験場によると、魚群探知機はアユとワカサギの群れを判別できないため、ワカサギの群れを足し合わせている可能性があり、「減少幅はさらに大きくなるかもしれない」としている。
 激減の原因については「昨年8月末から11月初頭に河川の下流域で産み付けられた卵が、10月の台風23号で川が増水し、流された可能性が高い」といい、影響は北湖だけでなく琵琶湖全体に及んでいるとみている。
 ただ、1996年にも渇水の影響で群れ数が激減したことがあったが、同試験場が北湖に注ぐ12の河川で同年と翌年の秋に実施した産卵量調査では、109億粒から201億粒へ回復した。生物資源担当の酒井明久主査(38)は「来季以降、アユの資源量が回復するかどうかは、河川の水量や水温など、8月末から11月にかけての産卵期の自然環境がカギを握る」としている。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2005年04月29日 15:17 in 魚&水棲生物

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