滋賀県琵琶湖研究所(大津市打出浜)主催の「琵琶湖研究シンポジウム」が28日、同研究所で開かれた。同研究所は今年6月、新しく設置される県琵琶湖・環境科学研究センター(仮称)=大津市柳が崎=内に移転する予定で、同研究所主催のシンポはこの日が最後となった。
同シンポは、琵琶湖に関する研究を市民に分かりやすく紹介する場として、1982年の開所当初から毎年、催されてきた。今年は研究員8人が、湖中の酸素量や内湖の生物の多様性について発表した。
熊谷道夫総括研究員は「琵琶湖未来酸素計画過去・現在そして混沌(こんとん)」と題して、水温の上昇と湖底付近の酸素量との関連性を紹介した。70-80年代には6度程度だった冬季の水温が、今年2月は7-8度と高く、酸素量も2001、02年の8割程度しか回復していないとして、「酸素循環の不十分さが懸念される」と指摘した。
最後のシンポとあって、多数の市民が訪れ、研究発表の中では、同研究所のこれまでの活動も紹介された。
(京都新聞)