2005年03月03日

BASS CITGOバスマスターツアー第3戦 初日から最終日までの経過

 2005シーズンBASS CITGOバスマスターツアー第3戦をもって、BASSはアラバマ州レイク・ガンタースビルで14度めのトーナメント開催となった。ビッグフィッシュを大量にストックするレイクとしてその名声を全米に轟かせている。この湖は、1992年に田辺哲男さんがBASSメガバックス大会に出場しビッグフィッシュ賞を獲得したレイクであり、また昨シーズン、ジョージ・コクランによってBASSフォーデイ・ヘビエストウエイト歴代2位(99Lb10oz)が樹立されたレイクでもある。コクランは4日間と通して毎日20Lb以上のウエイトを持ち帰り、ガンタースビルのポテンシャルを最大限に引き出した。今シーズンも本戦前からビッグウエイトの期待がかかっており、実際には清水盛三さんが最終日に30Lb5ozをウエイインするなど、大いに盛り上がった一戦だった。

 2002年バスマスターツアーが開催地としてレイク・ガンタースビルを使用したとき、ウイナーであるケリー・ジョーダンは82Lbというビッグウエイトで優勝を飾った。昨シーズンはジョージ・コクランが約100Lbという快挙を4日間で成立させたわけだが、この大会では3名が4日間で83Lb以上を持ち込んでいる。そのポテンシャルたるや、全米トップレベルのランカー・ファクトリーと化している。しかも今シーズンは、プリスポーンバスでウエイトアップを担った第1戦、第2戦がことごとく不発。記録が破られず淡々と試合が消化されていったため、ガンタースビルへの期待は出場選手だけでなく、観衆からもかかっていた。
 そしてそんな願いは、本戦初日、エドウィン・エバースが27Lb15ozを持ち帰えり現実のものとなった。このウエイトは初日の時点では今季のワンデー・ヘビエストウエイトで、大会が終了した現在でもBusch Shootoutワンデー・ヘビエストウエイト・ランキングの2位につけるビッグサックになった。初日の検量ではジャック・ウェイドが(フライト順もあり)はじめの方にウエイインし、彼の25Lb6ozが長い時間トップを走っていたが、エバースの27Lb15ozが持ち込まれるとどよめきが発生した。
 また初日は清水盛三さんも21Lb5ozで6位に、宮崎友輔さんが18Lb14ozで12位につけた。
 決勝へはトップ12が進出するのだが、初日の時点で1位と12位の差は約9Lb。また12位と88位も9Lbの差がついている。つまり、上位陣の順位争いは難しくとも、決勝進出ラインの10位、11位、12位は、簡単に入れ替わる可能性が大いにあった。そのため、我々日本人にとっては、ますます2日めの結果から目の離せない状態になった。
 
 しかし波乱が2日めに待ち受けていた。ベテランのバド・プルーイットが初日の36位から7位に、デビッド・フリッツが29位から9位へ、デビッド・ハイトが18位から10位タイ、そしてもうひとりの10位タイで決勝へ望むジェラルド・スインドルは104位から94人抜きでトップ12入りを果たす。また34位につけていたティム・ホートンが12位に入り、初日12位だった宮崎友輔さんは18位へと後退する。
 全体的にウエイトが下降傾向にあった中、清水盛三さんは初日を上回る21Lb14ozで自身初のバスマスターツアー決勝進出を決定づけた。
 さて、ここで首位で決勝へと抜けたエドウィン・エバースのコメントに注目しておきたい。大会2日前にサンダーストームがレイク上空を通過。増水、水質のマッディ化、そして強いカレントが発生した。また大会4日めには降雨の予報も出ていたため、ダム管理局は水位調節に入っていた。これに対しエバースは「(初日に比べ)水位が大幅に低下しているが、これが明日以降の釣りに影響するとは思えない」と明かしている。
 また2位で初のトップ12入りを成し遂げた清水さんは、「この2日間、私は他のアングラーとエリアで出会わなかった」とある一定の場所を独占していたことを語っていたが……。

 決勝初日は本来ならトップ12名だけで競技されるはずだったが、湖上には彼らの他に110艇のボートが浮かんでいた。FLW Outdoorsが主催するBFL ChooChooディビジョン第1戦がレイク・ガンタースビルで開催されていたのだ。バスマスターツアーの2日めのウエイイン時に「BFLの連中が明日のプラクティスに来ていて、すごく近くまで近づいてきて見てやがる。見るとなとは言わない。お互いにバス釣りを楽しみたいだけなんだから。でも度が過ぎると問題がある。明日、アイツらが私のエリアに入っていないことを願う」のようなコメントを数名の選手が残していた。
 清水さんも予選の2日間は独占するかたちでエリアに陣取っていたが、3日めにはBFLの選手が入っていたという。「なんか視線を感じるな〜と思ったら、向こうの方から双眼鏡で俺が釣ってるのをBFLの選手が見てた」と2日めの経験を掘らしている。
 実際にBFLの結果を見てみると、上位3名が20Lb以上のウエイトを持ち帰っており、ティム・バックナーは27Lb10ozという超ビッグウエイトで優勝している。
 それでもさすがバスマスターツアーのトップ12に残ったアングラーたちである。2名が20Lbを越えるウエイトを持ち帰った。
 初日に27Lb15oz、2日めに19Lb8oz をウエイインしたエドウィン・エバースであったが、決勝初日は15Lb2ozと低迷。しかし大会3日めをトップで最終日に雪崩れ込んだ。エバースは「明日は(BFLの)ボートもいなくなるし、天候も変わって(雨と強風の予報が出ていた)だいぶん釣りやすくなる」と語った。
 3日めに急浮上したのが、この日のヘビエスト・ウエイトを持ち帰ったゼル・ローランドだった。「レイクは毎日変化している。初日はジャークベイトで釣っていたが、後にクランクベイトになって、いまはジグに変更した」とレイクのコンディションをガッチリと掴んでビッグウエイトを引き出している。このパターンの移り変わりが今大会の結果に大きく影響する。
 
 エバースは2日めに水位低下に気づきながら、自分のパターンには影響しないと発言していたが、最終日、彼が釣っていた場所は初日から比較し60cmほど減水し、彼のパターンが機能しずらくなっていた。ウイードトップをバイブレーションでトレースするテクニックだったらしいのだが、減水とニゴリでバスがウイードの奥深くにハイドしてしまったため、思った以上にプロダクティブにならなかったのだ。しかしここはガンタースビル、エバースは最後の1投まで大丈夫だろうと思っていた。しかし最後の1投のルアーが巻き終わってきた瞬間に「これはヤバイ」と感じたのだった。
 最終日、清水盛三さんはトップを走るエバースと約7Lbの差だったが、30Lb5ozというビッグウエイトをウエイインし、一気に劣勢から優勢に立つ。リバーチャンネルに沿ったシャローフラットとステージングエリアが交差するハンプとウイードをマグナムトラップやスピナーベイト(エバーグリーン社D-zone 3/4oz)、そしてクランクベイト(ストライクキング社Series 4)を駆使し、今季バスマスターツアーのワンデー・ヘビエストウエイトを樹立した。
 ところが、ゼル・ローランドが27Lb6ozをウエイインし、清水さんに僅か1Lb7ozの差をつけて逆転優勝を果たした。ローランドは一早くフィールドの変化に気づき、パターンを変更。急激に落ち込むブレイクと桟橋の足が絡むピンスポットを中心にジグでスローに攻略。リアクションベイトでは尾数が稼げないため、ジグで確実にキャッチし、徐々にウエイトを上げていった。
 
 清水さんはこれでメジャートレイル自己最高位となる2位を獲得したが、昨シーズンはFLW TOUR第3戦で3位、第5戦で8位に入っている。
 また今大会に最終日に進出したスーパーシックスの内、清水さん以外の5名は各日程でリミットメイクに成功。清水さんは4日間で合計18尾(3日めに3尾のウエイイン)だったが、最終的に85Lb9ozをマークした。

Posted by DODGE at 2005年03月03日 16:30 in 海外トーナメント:BASS

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