護岸工事などで水辺の生態系が破壊された茨城県の霞ケ浦で、絶滅したと考えられていた植物を、湖底の土砂の中に眠っていた種子を利用して復活させることに、東京大保全生態学研究室などのグループが21日までに成功した。
同研究室の西広淳助手は「湖の植生は駄目になっても湖底には底力が残っていた。こうした『土壌シード(種子)バンク』に蓄えられた種子の活用は自然の再生に有効な方法だ」と話しており、ほかの地域の再生事業にも応用できそうだ。
霞ケ浦の湖岸では1970年代初めまで豊かな水生植物がみられたが、護岸工事が進むにつれ大部分が失われ、特に植物体をすべて水中に沈めて生きる「沈水植物」は90年代後半までにすべて姿を消したという。
(共同通信)