滋賀県内の野生生物の多様性を守るため、県は31日、テングコウモリやオニバスなど絶滅の恐れがある在来動植物の捕獲や採取の規制、本来県内にいなかった生物の移入防止などを盛り込んだ新条例を、2005年度に制定する方針を明らかにした。
県環境審議会の小委員会で示した県の方針によると、絶滅が危ぶまれる生物の捕獲や採取を規制するほか、保護区域を設定して、森林や湖沼などの生息環境も守る。
また、アライグマなど陸上の外来動植物の移入を禁止する。ゲンゴロウやカイツブリなど、食物連鎖による生態系を支えている在来生物のために、地域にあるビオトープをつないで生息範囲を広げる。
県が昨年10月にまとめた調査では、2000年に比べ、生息数が著しく減った昆虫が107種から234種に増え、両生類でもヌマガエルの絶滅可能性が上昇するなど、在来種の生息環境は悪化している。県自然環境保全課は「外来種の移入防止に関しては今後、他府県との広域的な協力について検討したい」としている。(京都新聞)