環境省は21日、特定外来生物被害防止法に基づき輸入や移動などを禁じた「特定外来生物」の指定リストにブラックバスの一種のオオクチバスを入れる方針を決めた。19日には釣り関係者への配慮から指定を見送ったが、21日の閣議後会見で小池百合子環境相が「指定が望ましい」と発言し、一転、リスト入りが決まった。
19日の小会合では「地域的な在来生物の絶滅をもたらしうる」などと指摘する一方で、指定前に駆除のあり方の検討が必要と判断され、指定を半年間先送りした。
21日開かれた専門家会合で小野寺浩・同省自然環境局長は「大臣からオオクチバスをまず指定すべきだとの指示を受けた」と述べ、指定する方針を表明した。
北米原産のオオクチバスは繁殖力が強く、在来魚の稚魚などを食べるため、生態系への影響が広がっている。【河内敏康、去石信一】
◇「指定は当然」
ブラックバスの生態系への影響を訴え続けてきた写真家の秋月岩魚さんは「環境省の当初の先送り案は釣り業界など経済への影響に配慮したものだが、日本の生態系への影響を考えれば、指定は当然だ」と、小池環境相の判断を歓迎する。
駆除を進めるのは簡単ではないが、「バス釣りでもうけてきた釣り業界にそのための費用を払ってもらったらいい」と指摘した。また、芦ノ湖(神奈川県)などバスを漁業権の対象魚種に定めている四つの湖以外でもバス釣り大会が開かれていることについては、「生態系を守るという法律の趣旨に反することになる」と訴えた。(毎日新聞)
●同様の記事\n
「ブラックバスを外来種法規制対象に…環境省が方針一転」
環境省は21日、特定外来生物被害防止法に基づく規制対象の第1次リストにブラックバスの一種オオクチバスを加える方針を決めた。
同省はこれまで、釣り具業界などの反発が強いオオクチバスについては、結論を先送りする方針を固めていたが、小池環境相が同日午前の会見で「法の趣旨からまずは指定すべき」と再検討を指示したことを受け、方針を一転させた。(読売新聞)
「オオクチバス、一転指定へ 外来種被害防止法の対象]
固有の生態系を守る外来種被害防止法で規制する対象種の選定を進めている環境省は21日、ブラックバスの一種オオクチバスについて指定先送りの方針を見直し、6月に予定している法施行時点で指定を目指すことを決めた。
小池百合子環境相が同日「まず指定すべきだ」と強い意向を表明し、担当部局が従った形。31日に開かれる専門家の全体会合で論議した上で正式決定するが、釣り関連団体などから反発の声も上がりそうだ。
釣り業界団体を交えた19日の専門家会合は、同省の原案に基づき、オオクチバスについて「調査委員会を設置して防除法を議論し、半年をめどに指定に向けた検討を進める」との報告をまとめることで合意した。(共同通信)