2005年01月12日

事業中の5ダム 意見書を採択 淀川水系流域委 建設に一定の歯止

 国土交通省近畿地方整備局の専門家会議「淀川水系流域委員会」(委員長・芦田和男京大名誉教授)は11日、丹生ダム(滋賀県余呉町)や大戸川ダム(大津市)など事業中の5ダムについての意見書を採択した。天ケ瀬ダム再開発(宇治市)を除く4ダムについて、建設の是非は明言しなかったが、本体工事を中断したまま環境への影響や治水対策をさらに調査するよう求め、ダム建設に一定の歯止めをかける内容となった。また琵琶湖部会からは琵琶湖の水位操作についての意見書案が新たに出された。

 京都市左京区で開かれた流域委で、昨年12月に明らかにした意見書案に修正を加え、多数決で承認した。
 丹生ダムは、琵琶湖の環境への影響や、姉川、高時川の河道改修について調査と検討を行い、「自然環境の保全・回復の視点に立って、ダム建設の方針について可及的速やかに結論を出す必要がある」とした。大戸川ダムは、河道改修で洪水被害の軽減が期待できるとしたうえで、環境面でもオオタカなどが住むダム周辺の自然環境への影響が懸念されるとし、建設継続に否定的な姿勢をにじませた。
 天ケ瀬ダムは、意見書案にあった「事業を継続実施するのが妥当」という文言は外したが、治水と利水に効果があるとし、事業継続に理解を示した。
 琵琶湖部会からは、魚類の産卵や成育の場となっている水際の機能を再生させるため、洪水期に引き下げられている制限水位をゼロメートル付近まで引き上げ、「自然のリズムに近い水位操作規則に変更することを強く要望する」という意見書案が出された。
(京都新聞)

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Posted by jun at 2005年01月12日 10:47 in 内水面行政関連

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