2005年02月15日

MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES「FILE4」

FILE 4 フロリダのレイクには……もぉ行きたくない
FLW TOUR第2戦レイク・トホ大会編

 今シーズンがスタートしてなんと4週間連続でトーナメント出場という過酷な旅の最終戦、FLW TOUR第2戦レイク・トホ大会が終了した。今の正直な気持ちは……。
「もぉ〜フロリダには行きたなぁぁああい!  フロリダなんて、半島ごと沈んでまえぇぇええ!」。
といったところだろうか(笑)。

 今シーズンは、開幕からフロリダ州内でのトーナメントが4連続という、“フロリダ嫌い”の私にとっては拷問に近く、苦しい1ヶ月だった。フロリダは、ガイドフィッシングで釣ったり、ビーチに行ったり、買い物をするにはいい場所だが、「トーナメントはアカン!」と断言しておこう(T-T)。すべての試合がそうだったのだが、プラクティスではメチャメチャ釣れても、本戦になるとみんなどこかに消えてしまう。「パターンもへったくりもないやんけ」と吐き散らしている今日この頃。
 レイク・オキチョビーに関しては少しずつわかってきた気がするし、ハリスチェーン自体は面白い釣りができるけどレイクが小さい。問題はトホ(というより、キシミーチェーン全体)。プラクティスで釣れていた場所が本戦でまったく火を噴かないなんて、ちょっと考えられない状況に陥ってしまった。
 
 バスマスターツアー第2戦が終わって、直後にFLW TOUR第2戦のレイク・トホに移動。プラクティスは3日間しかできなかった。本戦であまりに釣れなかったから、大会終了後に2位でフィニッシュした友達のアート・ベリーに話を聞いてみた。すると、エリアは多少異なるが、私とまったく同じパターンだったから、さらに悔しい。
 クランクベイト(ワイルドハンチを使用)と1ozシンカーのフリッピングのコンビネーションで攻略するのが私のプランだった。釣り方も、バスの探し方も、ねらってたグラスの種類もアートと一緒……。もう、ここまで負けが続くと、フロリダは鬼門としか思えない。
 本戦中、特に初日は20回くらいバイトがあったが、上手くフッキングできなかった。プラクティスのときは、バスが列を作ってシャローに上がってきてるのが手に取るようにわかっていた。10パウンダーも見てるし、5、6パウンダーくらいのバスの場合は、バイトを外そうとしても、元気があるから、ルアーをくわえて離さない感じだった。なのにッ! もはや……お払いが必要なのかもしれない(T-T)。

 
 私とは逆に、フロリダ戦のときだけ上位に食い込む選手がいる。そういう選手は、別のフィールド、たとえばマウンテン・リザーバーだったり、マッディー・レイクで本領が発揮できなかったりする。私はウッドカバーをクランクベイトで攻略する釣りに自信を持っているから、「そういうタイプのレイクで実力を見せるしかないな」と腹をくくっている。そこでもダメならどうしよ(笑)。いや、次の大会(バスマスターツアー第3戦アラバマ州レイク・ガンターズビル)は私の得意なタイプのレイクだから、今度こそ期待してもらいたい(←こういうことを言うのも、なんか恥ずかしくなってきたよ)。
 
 「フロリダの大会は独特で難しいですからね〜」と慰めてくれる人がいるけど、ホントはフロリダなんてチョロイんよ!  バスを見つけるのは簡単。でも試合で持って帰ってくるのが、ちょっと難しい。 なに? 「じゃぁ、全然アカンやん」って?いやね、本当に自分ではチョロイと思ってる(あくまでも言い切る!)。でも勝ててないだけ(T-T)。
 まぁ、4試合連続でフロリダのレイクを経験して、いろんなことを学んだ。高い授業料だったと思って、来シーズンの糧にしたい。でも、正直なところ、来シーズンはフロリダ戦がないことを祈る(笑)。
 
 今、アメリカで話題になっている事件的な問題があって、あのデビッド・ダッドリーが渦中の人になっている。これは先日開催された第2戦でホントに起こった話。
 BASSバスマスターツアーでは、シーズン第1戦の初日にフライトナンバーが言い渡される。このフライト順は、シーズンを通してのもので、1試合終わるごとにズレていくシステム。だから、初戦の初日の時点で、次戦、また最終戦のフライト順がわかってしまうシステムなのだ。
 第2戦時、「自分のフライト順が遅い」と事前にわかっていたダッドリーはこのルールを“巧みに利用”して、フライトの早い選手を妨害する手段に出た。アーリースプリングの大会では、サイトフィッシングが上位入賞のカギになる確率が高い。つまり、フライトが早いほうが先にエリアに到着できて、サイトフィッシングでグッドサイズをねらうことができるわけだ。そこでダッドリーは“戦略”を立てた。プラクティスの最終日に有力とされるエリアに入って、片っ端からサイトフィッシングでねらえるバスを釣り上げていったのだ。理由は「バスは一度釣られるとナーバスになって、少しの間、クチを使わなくなる」からで、「フライト順の早い選手に釣らせないための戦術」と堂々とステージで言ってのけたのだ。
 すると、「それはスポーツマンシップに反する行為だ」と多数の選手がまくし立てて、一時オフィシャルはダッドリーのDQ(disqualify:ディスクオリファイ)も検討していたらしい。しかし当の本人は「プラクティスでバスを釣っちゃダメというルールはない。フライト順で順位が確定する確率が高いなら、(意図的に釣ってプレッシャーを与えることは)フライト順が遅い選手が勝つために必要な戦術だ。そもそも、フライト順があらかじめ分かるようなシステムを採用しているBASS側が悪い」と余裕で受け答えた。

 この問題はESPNが番組でも放送し、選手の間でもかなり討論されているようだ。「デビッド、お前は悪くないぜ。俺は勇気がなかったから言わなかったが、俺も昔からやってることだ」と言う者がいれば、「アイツは、人間としてサイテーだ」と罵る者もいる。
 
 私の意見としても、いい戦術だとは思えない。たとえホットなエリアのバスをプラクティスの最終日にモロに釣り上げても、全部を釣りきるのは無理。だから、「やらせておけばエエやん」とも思う。だけど、「ヤツは人間としてちっちゃい」と思うのも事実で、まぁ、セコいのひと言に尽きる。自分だったら「相手を潰すことを考えずに、別のエリアとか、別のパターンを見つければエエやん」と考えるからだ。
 「そんなセコいヤツは、出世せんわ」と思ったが、ダッドリーは有名な選手だけに、この問題の波紋は大きく広がっている。さて、みなさんは、どう思うだろうか?

Posted by DODGE at 2005年02月15日 10:22 in MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES

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