黒い体に白い斑点があり、長い触角を持つカミキリムシ。夏になると樹木で見かけることがありますが、その中には特定外来生物に指定されている「ツヤハダゴマダラカミキリ」がいるかもしれません。
本種は中国などを原産とする外来種で、海外では街路樹や公園樹木に深刻な被害をもたらしてきました。そのため、IUCN(国際自然保護連合)の種の保全委員会が公表した「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選定されています。
日本では2002年に神奈川県で初めて被害が確認されましたが、この時は早期対応により根絶に成功しました。しかしその後、2020年に兵庫県で再び発生が確認されて以降、各地で報告が続いており、現在では14都県で発生が確認される状況となっています。
ツヤハダゴマダラカミキリとは
ツヤハダゴマダラカミキリは、体長約20~35mmのカミキリムシです。
特徴は、
- 黒い体に白い斑点
- 黒と青白い色が交互に入った長い触角
- 光沢のある体
です。
在来種のゴマダラカミキリとツヤハダゴマダラカミキリは近い仲間で、外見も非常によく似ています。しかし、両者にはいくつか明確な違いがあります。
- 胸部の模様 在来種のゴマダラカミキリには胸部に2つの白い斑点があるのに対し、ツヤハダゴマダラカミキリにはこの白斑が見られません。
- 上翅(背中の羽根)の質感 ゴマダラカミキリの上翅基部は細かな凹凸がありザラついた印象ですが、ツヤハダゴマダラカミキリの表面は滑らかで光沢があります。
- 上翅基部の毛の有無 ゴマダラカミキリは白色の軟毛が生えているが、ツヤハダゴマダラカミキリにはありません。
ツヤハダゴマダラカミキリは、なぜ問題になっているの?
ツヤハダゴマダラカミキリは、多くの広葉樹の内部を幼虫が食害し、樹勢を衰えさせたり、枯死させたりすることがあります。公園や街路樹、森林、農地などで被害を引き起こすおそれがあり、倒木による安全面への影響や景観の悪化に加え、生態系や農林業への影響も懸念されていることから、特定外来生物に指定されています。
また、日本固有種で絶滅危惧種に指定されているハナノキも寄主植物の一つとされており、定着・分布が拡大した場合には、その保全への影響が懸念されています。
ツヤハダゴマダラカミキリを見つけたらどうすればいい?
ツヤハダゴマダラカミキリは特定外来生物に指定されています。
見つけた場合は、
- 写真を撮る
- 発見場所を記録する
- 自治体や環境担当部署へ連絡する
ことが推奨されています。
成虫を駆除できる場合はその場で駆除することが望ましいとされていますが、生きたまま別の場所へ運んだり放したりしてはいけません。また、幼虫は木の内部で生活するため、被害木を見つけた場合は自治体へ相談するのが安心です。
まとめ:そのカミキリムシ、実は危険かも 木を枯らす外来種「ツヤハダゴマダラカミキリ」
ツヤハダゴマダラカミキリは、世界各地で樹木に被害をもたらしてきた特定外来生物です。日本でも確認地域が増えており、今後さらに注意が必要と考えられています。
見分けるポイントは、
- 黒い体に白い斑点
- 青白い縞模様の長い触角
- 首(前胸背板)に白い斑点がない
の3点です。
公園や街路樹で似たカミキリムシを見かけた際は、在来種との違いを確認し、ツヤハダゴマダラカミキリが疑われる場合は自治体へ情報提供することが、被害拡大の防止につながります。
