琵琶湖などの自然環境を守ろうと、滋賀銀行が全国初という融資制度を設けた。二酸化炭素の排出量削減、資源循環型の経済活動、生物多様性を取り戻す取り組みについて、設定した目標を達成した企業に貸出金利を優遇する。
持続可能な経営を進める企業を後押しする融資制度は全国的に導入が進むものの、数値で評価しやすい脱炭素(カーボンニュートラル)の取り組みを指標とするケースが多く、利用できる企業が限られていた。一方で琵琶湖などの自然環境を守るには、ブラックバスなど外来種の駆除や、食品ロスの削減、衣服のリユースといった活動も重要だ。
今回設けた「しが トライ・リンク・ローン」では、脱炭素に加え、サーキュラーエコノミー(循環型経済)や生物多様性を取り戻すネイチャーポジティブ(自然再興)という三つの指標を組み込んだ。この点が、全国で初めてだという。
実施には滋賀県の協力を得た。融資を受けたい企業は、県の「しが生物多様性取組認証制度」の認証を取得。県は設定された目標が低すぎないか妥当性をみるほか、融資の実行後も年1回報告を受けて取り組みの結果とプロセスを評価する。その結果を踏まえ、滋賀銀行が貸出金利を決める。
新制度の対象は「滋賀県内に事業所を持つ企業」とした。琵琶湖の水は滋賀、京都、大阪、兵庫の計約1450万人の暮らしを支えており、取り組みの裾野を広げたいからだ。滋賀銀行も4月に、大阪府と兵庫県を中心に展開する池田泉州銀行を傘下に持つ池田泉州ホールディングスと資本業務提携を結んだばかりだ。
久保田真也頭取は「環境と経済が共に発展する滋賀モデルを確かなものにしたい」とし、三日月大造知事は「取り組みの輪を県外にも広げていけたら」と述べた。(日比野容子、辻岡大助)
