毒持つセアカゴケグモ、港町で繁殖か 島根県 25年度、7年ぶりに100匹超え 駆除に苦慮「1匹でも減らさないと…」

 島根県内で、毒性を持つ特定外来生物「セアカゴケグモ」の発見が相次いでいる。県によると2025年度は既に105匹となり、7年ぶりに100匹を超えた。25年度は8割が松江市美保関町七類の七類港に集中し、収束が見えない。過去に駆除できなかった個体が繁殖しているとみられる。今後も県内各地で発見される可能性があり、関係者は注意を呼びかける。

 18日午前10時前の七類港。ピンセット片手の松江県土整備事務所の職員3人が地面に膝をつき、室外機の下をのぞき込んだり、コーン標識を裏返したりして、目をこらした。松浦圭吾主任技師(32)は「一匹でも減らさないといけない」と危機感を強める。

 探しているのはセアカゴケグモ。同港では9月2日に発見されて以降、職員が定期的に点検し、現在は週1回足を運ぶ。18日は約1時間半で1~5ミリの生体を4匹発見。9月以降の累計で生体80匹、「卵のう」67個を駆除した。

 見つかる場所は多くの人が行き交うメテオプラザ周辺。見つけて駆除しても、翌週また同じ場所で見つかることもある。職員の一人は「駆除できているものは微々たる数だ」と苦悩をにじませた。

 同港での発見は22年以来3年ぶり。当時も職員が駆除したがまた発生した。50~300個の卵が入る卵のうを駆除できなければ、その後の影響も大きい。三瓶自然館サヒメル(大田市三瓶町)の皆木宏明研究員(50)は「完全に駆除されず、残った個体が繁殖した可能性が高い」とみる。

 島根県によると、25年度は現時点で松江81匹、浜田23匹、雲南1匹を発見。浜田市内で多く見つかった18年度の119匹を超えそうな勢いだ。現段階で被害報告はないが、かまれると皮膚の痛みや吐き気を発症する。見つけた場合は足で踏むか殺虫剤などで殺した上で、市町村や保健所への報告を呼びかけている。

 県内では15年に浜田市内で発見されて以降、毎年のように見つかる。個体自体の移動範囲は狭いとされるが、貨物や車などに営巣した個体が運ばれることで生息域が広がっており、これまで発見されていない地域で見つかる可能性はある。

 皆木研究員は「続けて見つかる場所では点検を続け、個体数を抑えていくことが大事だ」とし、継続した調査と駆除の必要性を訴える。

 鳥取県によると、22年に米子市内の歩道で50匹程度が見つかるなど毎年発見報告があるという。

 セアカゴケグモ 豪州に生息しており、コンテナに付着するなどして日本国内に入ってきたとみられている。雌は成体で体長7~10ミリで、雄は5ミリ程度。乾いた環境を好み、建物の物陰などに生息する。雌にかまれると痛みやはれが生じ、吐き気、腹痛などの症状が出ることもある。生きたままで冬を越して、春から秋にかけて繁殖する。

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