夏休みシーズンで人や物の行き来が増える時期、害虫の侵入・まん延のリスクも高まっている。セグロウリミバエもその一つで、国は旅行者などに対して、緊急防除を実施中の沖縄本島から、寄生している恐れがある野菜や果実を持ち出さないよう注意を呼びかけている。専門家は、寄生果の持ち込みがあれば、他地域でいつ発生してもおかしくないと指摘。見慣れないミバエがいるなど異変に気付いたら、すぐに県などへの報告が求められる。
セグロウリミバエはミバエ科の外来害虫。成虫の体長は8、9ミリで、黒色やだいだい色をしている。ウリ科やナス科などの作物に寄生する。雌成虫が果実に産卵して腐敗を引き起こしたり、幼虫が果実内部を食害して商品価値を低下させたりする。生態は不明な点が多いものの、繁殖力が高く、国内でも越冬するとされる。
日本や朝鮮半島を除くアジアで広く発生しているが、昨年3月、沖縄本島北部で同害虫のトラップへの誘殺が確認されて以降、島内で発生が拡大。沖縄県では今年4月から、植物防疫法に基づく国主導の緊急防除が始まった。
ウリ類やトマト、パパイヤなどの県外出荷や個人の輸送に制限がかかる。県外に出荷するには市町村へ検査を申請し、商品に適格合格証明ラベルを貼る必要がある。
確認地域は徐々に北上し、鹿児島県の奄美大島でも寄生果が発見された。同県は不要な果実の除去や農薬散布などを呼びかける。
ウリミバエなどの根絶事業に携わった岡山大学農学部の宮竹貴久教授は「持ち込みによる発生は日本列島のどの地域で起きてもおかしくない。全国的に一層の警戒が必要だ」と話す。
(南徳絵)
