サクラやハナモモの木を食い荒らす特定外来生物クビアカツヤカミキリの生息地域が、茨城県内で広がっている。古河市の今年の駆除数は8月末までに1万匹を超えた。市の2025年の駆除数や本年度目標の2倍。県内は新たに5市で確認され、生息地域は計15市町になった。県南西地域以外で初めて常陸太田市でも見つかっており、被害の拡大が懸念される。
クビアカツヤカミキリはハナモモやサクラなどバラ科の木を好む。樹木に卵を産み付け、幼虫が内部を食い荒らす。1回の産卵で1000個以上の卵を産んだ例があるなど繁殖力が強いのが特徴だ。
古河市は駆除すると奨励金が出る県の制度「いばらきカミキリみっけ隊」(実施期間6~9月)を通じて、6月に5437匹、7月に4773匹、8月に112匹の計1万322匹を駆除した。25年は5074匹だった。
市によると、同年から引き続き駆除に参加する市民のほか、学校単位の参加など取り組みに協力する市民が増えた。市環境課は「生息数も広がっているとみられる」と推測する。
同市内はハナモモの名所として知られる古河公方公園(同市鴻巣)をはじめ、JR宇都宮線古河駅周辺の遊歩道や市役所古河庁舎敷地内のサクラも深刻な被害を受けた。サクラの名所の雀神社(同市宮前町)も今年、数本を伐採したという。
生息数や被害の広がりを受け、市は対策を強化したい考えだ。県を通じて10月に初めて国の専門家派遣制度を活用し、職員対象の研修会を実施する。クビアカツヤカミキリが卵を産み付けたり、樹木内部で育った成虫が飛び立ち拡散したりするのを防ぐ防護ネットの巻き方や薬剤の注入法などを学ぶ。
県生物多様性センターによると、クビアカツヤカミキリは今年、守谷、常陸太田、取手、つくばみらい、常総の5市で新たに見つかった。生息が確認された県内自治体は計15市町に上る。
つくば市の森林総合研究所昆虫生態研究室の加賀谷悦子室長は「生息地域や被害が一定の水準に達すると、急激に広がる傾向がある」と警戒を呼びかけている。
