植物由来の「紙の電池」ついに実用化へ 外来種駆除の一石二鳥も視野に

 前回(2025年)のCESで特に気に入った発見の1つが、紙(正確には植物由来のセルロース)で作られた電池だった。CESでは、クールな技術が登場して注目を浴びても、そのまま姿を消してしまうことが多い。しかしCES 2026でFlintが再び披露した電池は、少し様子が違った。今度は実際に皆さんのデバイスに搭載されようとしているのだ。

 そのラインアップには、再生可能で持続可能な素材で作られた、ごく普通の単3形や単4形の電池も含まれる。ラスベガス・コンベンション・センターに設けられたFlintのブースでは、その電池が小さなおもちゃの列車に電力を供給し、レールの上を走り回っていた。

 市場に登場する最初のFlintの紙電池は、LogitechやAmazonといったパートナー企業の製品に組み込まれると、創業者のCarlo Charles氏は語る。これらの単3形・単4形電池は寿命が従来のアルカリ電池とほぼ同等になる見込みで、2026年内にも市場に出回りそうだ。別の製品である超薄型の電池は、Nimbleが製造するApple製アクセサリーにすでに採用されている。

 これらの電池の形状が見慣れたものなのは、Flintが目指しているのが、テクノロジー製品による電池の使い方そのものを変えることではなく、電池の作り方を変えることだからだ。「完全に変革するのではなく、今ある世界にそのままフィットするものにしたい」とCharles氏は話す。

 Flintはすでにシンガポールで電池の生産を開始している。同社は現地の植物素材を利用しており、今後別の地域で生産する場合も同様だ。さまざまな植物からセルロースを取り出して使えるため、環境問題を悪化させるのではなく、むしろ解決策の1つになり得るという。

 「私が最も興味を持っているのは、外来種の植物だ」とCharles氏は言う。「どの国にも外来種があり、政府はそれらを取り除いて焼却するために、毎年膨大な資金を投じている。だが、その外来種からセルロースを取り出して電池に使えばいいのではないか」

 同社の電池を構成する部材(負極、正極、電解質、セパレーター)は、いずれもセルロースと、亜鉛やマンガンといった食品にも使える安全な鉱物から作られている。「こうした要素を組み合わせることで、完全に水ベースで、世界にとってより安全な電池の構成を実現できる」とCharles氏は説明する。

 Flintは、この電池製造のアプローチがほかの電池メーカーや電子部品メーカーにも広がることを期待している。こうした製品を持続可能な素材で作れば、われわれのあらゆるガジェットやデバイスが環境に与える影響を大幅に減らせるからだ。リチウム電池を含む製品で埋め尽くされたCESの展示会場で、Flintはようやく市場に出ようとしている、もう1つの選択肢を示してみせた。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。

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